ジュラ12年 エリクサー
ノスタルジーっていうんですかね。
ああ、懐かしいな…と気づくあの感じ。
朽ちたバスやもう使われていない自販機、人気のない旧校舎。街中の銭湯や小さなおもちゃ屋。
部活を終えて自転車で帰宅する中学生や、公園で談笑する高校生。プール帰りの小学生たち。おばあちゃんと連れ立って歩く、幼い子ども。
遠い記憶をつついて過去の断片を見ているような、そんな思いがたまに押し寄せます。決して戻ることは無いを記憶見て抱くやるせない哀しさ、それがノスタルジーというものなのかもしれません。郷愁、という意味合いで使われることもあるそうですね。
そう、戻らないものがあります。
だからせめて、楽しく生きて行けるように努力したいと思います。
さて、楽しく生きるためには美味しいお酒は不可欠。今日ご紹介するのはアイル・オブ・ジュラより、ジュラ12年 エリクサーです。
「世界で最も行きにくい蒸留所」とも言われるジュラ蒸留所は、ウイスキーファンには有名なアイラ島のすぐ北東のある意味「隣島」です。人口は160人ほど。約5000頭の鹿が生息し、島の名前の由来にもなっています。こちらの蒸留所の銘柄は、神話に基づいた名前やシンボルを持っていて、いろいろたまりません。
そして、エリクサーは「万能薬」の意。ファイナルなファンタジーを与えてくれる超有名RPGの回復アイテムとして、特に男性陣にはよく知られているのではないでしょうか。ずっと昔、コラボアイテムの清涼飲料水も発売されてましたよね。これもノスタルジーですかね?(笑)
ジュラの旧ボトルデザインはとてもカッコいい。中央にあしらわれた金属のシンボルが目を引きます。
ストレート /
香り:スタンダードな干しブドウとハチミツ、カラメルに、シェリーのコクのある甘い香り。それにシナモンと、乾いた穀物の香ばしさが強く伴う。
味わい:シェリー由来と思われる濃厚な甘さと、スパイスがあります。この甘みと香ばしさはまるでグレーンウイスキーのよう。ちょうどニッカのオールモルトを濃厚で上品にしたようにも感じます。また、イチジクのように上品で独特な果実感もあります。余韻は少しビターで、たまにゴムや乾燥タバコの香りを感じます。
ハミングバード99の個人的評価
お酒名:ジュラ12年 エリクサー
分類:シングルモルトウイスキー
価格:5400円(700ml)
アルコール度数:46%
香り:☆☆☆☆☆(コクのある甘くて華やかな香り。少しのビターさと、穀物の香りが伴います。)
味:☆☆☆☆☆(シェリーをよく感じる甘い味わい。穀物の香ばしさもよく感じられます。)
おすすめ度:☆☆☆☆☆(さすがに一杯のお酒で疲労が完全回復することはないけれど、良い気分にしてくれます。)
夕刻。昼間に比べ和らいだ陽射しに照らされながら、狭い路地を歩いていました。傍らの林の奥から響いてくるのはミンミンゼミの声。空に浮かぶのは、茜色の光を帯びた入道雲。幼少期の記憶が呼び覚まされます。
梅雨明けも、もうすぐそこまで迫っているようです。
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ブレンダーズスピリット = ブラックニッカ ブレンダーズスピリット(終売品)
あのですね、言いたいことはいろいろありますよ。しかし今日、まずはこの一言を言わせてほしい。
今年の梅雨、長すぎませんか?????
いい加減にお日様が拝みたい。そんな想いを抱えて鬱屈した毎日を送っていた最近の日々。今日は久方ぶりに青空が見えて、今年初めて蝉の声をまともに聞くことができました。とても嬉しい。暑さ、空気の湿り具合、木々の匂い。青空のもと街と緑の中を歩いていると、本格的な夏がすぐそこに迫っているということがよくわかりました。
まあ…向こう1週間また雨続きですけど。いつになったら夏が来るんですかね、本当に。
さて、そんな雨ばかりの毎日ではあるものの、うんざりしてばかりでも仕方ない。せめて美味しいお酒でも飲んで、気分だけでも晴れやかにいきたいところ。そういうわけで今日は梅雨色雨色の青いボトルのウイスキー。ニッカのブラックニッカ ブレンダーズスピリットをご紹介したいと思います。
ブレンダーズスピリットは、2016年、ブラックニッカ誕生60周年を記念して発売されたウイスキーです。現在の限定ブラックニッカシリーズの起源ともいえるボトルですね。60周年にふさわしく、1956年に蒸留された余市モルト、25年熟成のカフェグレーンのほか、新樽熟成やシェリー樽熟成の余市・宮城峡の両モルトをブレンドした豪華な仕様となっていました。
ボトルも濃藍色のフロスト瓶で、ブラックニッカの「安っぽさ」のイメージを覆す高級感を醸し出しています。ウイスキーファンの間では高い人気を誇り、現在でも高値で取引されているようです。このブレンダーズスピリットが無ければ、シリーズ化もされることはなかったかもしれません。
現在私の家で開栓してあるのは2017年版。では、実際に飲んでいきましょう。
ストレート/
香り:若干アルコールの刺激を感じつつ、プラムやブランデーケーキ、ハチミツやメープルシロップを思わせる甘い香り。開戦直後には硫黄やゴムを思わせるサルファリーな香りがしましたが、これは時間の経過とともに和らいでいきます。そしてオークの爽やかな木香と、ナッツに似た香ばしさが感じられます。
味わい:メープルシロップのように甘く、やわらかくコクがあり、ほんのりと潮気を帯びた口当たり。焼き立ての温かいケーキから立ち上る甘い煙たさ、乾いた穀物の皮から感じるような香ばしさを感じます。余韻には渋味やビタースイートさと、まだ若い果実の青い香り、ゆらりと立ち上る煙のような香味が残ります。アルコールのピリリとした刺激も少し。
終売から3年、未だに高い人気を誇るのも頷ける良いウイスキーだと思います。個人的にはザ ニッカ12年の方が好きだけれど、このブレンダーズスピリットも十分に美味しい。
ただ、既に両方ともに終売しているのが悲しいところ。ジャパニーズウイスキーが評価されて嬉しいとともに、なかなか入手できなくなったことにがっかりする心もある私ハミングバード99です。
ハミングバード99の個人的評価
お酒名:ブラックニッカ クロスオーバー
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:2500円(700ml)
アルコール度数:43%
香り:☆☆☆☆☆(親しみやすい、甘くて華やかな香り。)
味:☆☆☆☆☆(洋菓子を思わせる甘くふくらみのある味わい。それぞれの原酒のも豊かな個性が見事に調和しています。まさにブレンド技術の結晶、”ブレンダーズスピリット”です。)
おすすめ度:☆☆☆(現行品なら☆5。ブラックニッカ60周年への気合を十二分に感じる、美味しいウイスキー。本来は初心者から玄人まで幅広く推薦することができましたが、現在は過熱しすぎの高騰しすぎであまりおすすめしません。)
「ねえ、今から晴れるよ」って、youtubeのCMなんかでも最近よく聞きますよね。そして続く長雨。
これは多分きっと、天気の子を映画館へ見に行けと言う天啓に違いない。だから言わせてほしい。
天気の子、2019年7月19日公開です!(宣伝)
…コラボウイスキーとか出ないかなぁ?雨エディションと晴エディションとかで。割と本気で期待してます、新海監督。
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ブラックニッカ クロスオーバー(終売品)
”対局の個性が交差する。ふたつの個性の衝突から生まれた、衝撃。
調和の概念を超えた、ブレンデッド。華やかなシェリー樽モルトを追いかけるように、主張するヘビーピートモルト。ふたつのキーモルトが奏でる、クロスオーバー。”
―――かつての公式サイト紹介分より
2016年のブレンダ―ススピリットから始まった、ニッカの限定リリース。現在は第6弾のナイトクルーズまでが発売され、いずれも高い注目を集めたボトルでした。
クロスオーバーはその第2弾として2017年5月に発売されたものです。フロストの黒いボトルに高級感がありますよね。夏と春、ふたつの季節が入り混じる梅雨の日の今日に、こちらのボトルをご紹介していきたいと思います。
ストレート/
香り:熟したリンゴやカラメルソース、チョコレートも思わせる甘さと、清廉な渋さをイメージさせる木樽の香り。焦がした木材のスモークと、少しのサルファリーさ。アルコールのツンとした刺激が伴います。
味わい:シェリー樽モルト由来と思われる、焦がしカラメルのような強い甘味にまず驚きます。そして、飲み下すと鼻に抜けていくのは強すぎず、それでいてしっかりと感じられる穏やかなピート感。なるほど、クロスオーバーとはよく言ったもの。パッケージの交差する炎のように、ふたつのキーモルトの個性が時間差で顔を覗かせる大変興味深い味わいとなっています。余韻に硫黄も感じられますが、甘さと潮気に包み込まれており、気になるような嫌味は感じられません。
でもやっぱり、硫黄感が苦手な人にはおすすめできないかな…。
ブレンドによって原酒を合わせる=調和させるだけではなく、それぞれの個性を際立たせ、味わいの変化を楽しむことを可能にした1本。ニッカブレンダ―のチャレンジ精神=”ブレンダーズスピリット”を、たしかに受け継ぐボトルだと思います。
ハミングバード99の個人的評価
お酒名:ブラックニッカ クロスオーバー
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:2000円(700ml)
アルコール度数:43%
香り:☆☆☆(甘く、スモーキーさの漂う香り。硫黄も伴う。熟成感は薄いです。)
味:☆☆☆☆(シェリー樽モルト由来の芳醇な甘み。ヘビーピートモルトの重厚なスモーク感。)
おすすめ度:☆☆☆(現行品なら☆4。時間差で現れるふたつの原酒の個性の”クロスオーバー”を楽しめます。)
今年は全国的に日照が少なく、稲穂の生育が遅れているようですね。農家さんは気が気ではない毎日かと思います。早くお日様が顔を見せてくれるといいですよね。
ちなみに気温が上がらないため、私はまだ長袖を仕舞えずにいます。毎年6月くらいには半袖になっていたので信じられない衣替えの遅さなんですよね。あちらこちらで夏祭りの開催時期にかかってきますし、そろそろ梅雨明けの情報が聞きたいなあ、と考える今日この頃です。
そういえば、天気の子がそろそろ公開ですね。映画館へ観に行こうか、どうしようか。グラスを傾けつつぼんやりと考える、たまの休日の夜でした。
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サントリー クラシック 特級(終売品)
先日の事なんですがね。「君の、名前は。」のセリフで締めくくられるアニメーション映画を観たんですが、いやー…。皆さんも観ました?
あのですね、矛盾点が多いんですよね。隕石が割れてから落下までの時間とか。時間のずれになんで気づかないのとか。細かいところを挙げたら本当、キリが無いんですけどね。
批判をされるのを承知で正直に申し上げるとですね、すごくおもしろかった…!!
公開された当時も2回ほど映画館に観に行ったんですけど、もう、やっぱり君の名はという映画はおもしろい。細かいことはいいのです。もちろん人によって好き嫌いはあるでしょうが、私は楽しめたから、それで良い。そう、あれで良いのだ。
さて、今日は思わず「君の名は?」と尋ねたくなるウイスキー、サントリーの特級ウイスキー、Classicをご紹介します。
なんで尋ねたいかと言うと、このウイスキー、とにかく情報が少ないんですよね。
わかっていることと言えば、
・1980年代の流通
・当時のCM(1984年放映)ではムーディーな音楽に合わせ、
「山間の蒸留所で、つくりました。サントリーウイスキー、クラシック。誕生です。」
というナレーションがあり白州蒸留所が映し出されている
・定価3000円
以上。ね?情報少なすぎじゃありませんか?
君の名は、っていうか。「キミは―――?」と聞きたい。名前だけじゃなくて。いろいろ自己紹介して欲しいです、本当に。あまりにわからないので、早速テイスティングといきましょう。
ストレート /
香り:落ち着きある、甘く香るウッディネス。何といいますか、森の香り。これは比喩表現ではないです。
おそらく私と同年代以上の方々には、夏の盛り、カブトムシやクワガタを探してクヌギやブナ、ナラ、そしてミズナラの茂る雑木林に入った経験をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。夏の時期の森って、樹皮や樹液、朽ち葉や土から立ち上る香りが湿気に混じって充満してますよね。
で、森の土に潜ったり木の洞に隠れるカブトムシやクワガタにも当然その香りが付いているので、その気になれば夏の街中でもにおいを頼りに虫探しをすることも可能なんですが。このウイスキーからはあのリアルな「森の香り」がします。木の分布を考えると、私と同様に冷涼な気候の地方で育った人の方が、この香りがよくわかるかもしれません。
また、少し老ね香もするような気がします。カラメルソースや黒糖、コアントローに似た香りも感じます。
味わい:サントリーらしい、繊細な口当たり。甘味と、木樽由来と思われるタンニン様の渋味。そして鼻腔を抜けていく、噎せ返るような木々の香り。
正直、こんなに強く日本の森を思い返させる香りは他のウイスキーでは感じたことが無いです。本当に熟成過程でついたのか?そうだとすれば、あの日本特有の木樽で熟成された原酒なのか。「この木材は1度目の使用では原酒に香りが付き過ぎるんですが、3回目くらいになると本領を発揮してくれます」というどこかの蒸留所で聞いた説明を思い出します。
もしかしたらこのウイスキー、あの樽のファーストフィルだったりするんでしょうか。
ちなみにアルコールの刺激はほぼなく穏やかで、このへんはサントリーの日本人向けウイスキーづくりの上手さを感じます。同様の事は、ローヤル12年にも言えると思います。
…故郷の森を思い出させる、独特の強い香り。日本の森の匂い。
この原酒の熟成に使われた樽は、もしかしたら。
ハミングバード99の個人的評価
お酒名:サントリー Classic
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:3000円(700ml、当時)
アルコール度数:43%
香り:☆☆☆☆(そこまで派手ではないのですが、厳かで静かな芳しい香りを感じ取れます。)
味:☆☆☆☆☆☆(何といっても非常に強い森の木々のような香味。ただ、味の感じ方に波があります。)
おすすめ度:☆☆☆☆(現行品なら☆5。終売品で、現在は少し高騰。もし独特の森のような香りに興味があれば試してみていいかもしれません。ただ、あまりにも高値で買うようなものではないと思います。)
普段はよくアメリカの映画を観ています。、アクションやサスペンス、SF、コメディが中心なんですけれど、それはもちろんおもしろい。
しかし、アニメ映画もやはりよい。千と千尋の神隠しやもののけ姫といったジブリ映画はもちろん、サマーウォーズ、東京ゴッドファーザーズ、スーツケースの渡り鳥…。日本のアニメ映画はすごくおもしろくて、私は大好きです。
あ、邦画も観ますよ。ゴールデンスランバーとか。井坂幸太郎の小説とか、本も好きですね。好きなことをしながら飲むお酒、それがすごくおいしくて、そんな瞬間がささやかでも幸せなのかなと思います。
それにしても時間が経つのは早いもので。7月になりましたね。2019年の夏、楽しくしましょう。
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ザ ニッカ12年(終売品)
12年熟成って、考えてみればすごいですよね。人間で言ったら生まれた子供が、小学6年生になってるわけですから。いろんな成長の過程のある、とてつもなく長い時間ですよね。
それが数千円で買えるのだから、12年もののウイスキーというのは意外とリーズナブルなのかもしれません。成人祝いに20年前に樽詰めされたウイスキーを「いつか飲んでね」と贈ったりとか、素敵ですよね。
さて今回は、2019年の3月に終売になったニッカの社名を冠した渾身の銘柄「ザ ニッカ12年」をご紹介します。2014年に連続テレビ小説「マッサン」の放映に合わせ発売されて以来、わずか5年弱での終売となりました。かつての公式サイトでの紹介は、以下のようなものです。
「竹鶴政孝がこだわり続けたブレンデッドウイスキー。12年以上の原酒を厳選してブレンドしたプレミアムブレンデッドウイスキー「ザ ニッカ12年」。
余市・宮城峡蒸留所でつくりあげたモルト原酒を竹鶴政孝から受け継ぐ卓越した技術でブレンド。重厚な熟成感とメローなコクの調和を、ぜひお楽しみください。」
終売になる前は、日本産のウイスキー各社のシングルモルトが品薄になる中、長い間棚に残っていた記憶があります。宮城峡と余市のシングルモルト10年は終売により既に高値が付いていましたので、私にとってはそれらの味を感じられる良い商品でした。
また、折り重なる想いをあしらったガラスボトルと木製の大きなボトルキャップも目を引く素敵なデザインで、贈答用にも向いていたと思います。しかしジャパニーズの年代物のわりに、売れ残っていたのはなぜでしょうかね。
では実際にご紹介していきます。
ストレート /
香り:ふわりと立ち上る、メロンのような瑞々しいエステル香。芳醇な干しブドウ、ハチミツやカラメルの甘い香りを感じます。他にも上品なナッツ、ミルクチョコレートのコク、シロップの染み込んだブランデーケーキ。
味わい:さらり、としたやわらかな口当たり。甘さに加え、ピリリとした刺激をいくらか伴う酸味。木樽の渋さと香辛料のようなスパイス感が少し。乾いた麦の皮のような香ばしさはカフェグレーンか。これに加えてピートのスモークが鼻を抜けていきます。カラメルソースのようなほろ苦ですっきりと甘い余韻が残り、極僅かに塩気も感じます。
総じて飲みやすい仕上がりながら飽きの来ない様々な表情を持つという、ウイスキー初心者から玄人まで多くの方が楽しめるような酒質となっており、まさにニッカのブレンド技術の結晶と言えるボトルであると思います。終売となったのが残念でなりません。
インターネットでは価格が上がっているものの、特に地方だとまだ定価で販売している酒屋さんも見られます。私もあと1、2本買い足しておこうかなぁ。
ハミングバード99の個人的評価
お酒名:ザ ニッカ12年
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:6400円程(700ml)
アルコール度数:43%
香り:☆☆☆☆☆(瑞々しい果実香と、ナッツやチョコレートのコクがふわりと香ります。)
味:☆☆☆☆☆(やわらかなほの甘い口当たりと、香ばしく、スモーキーな含み香。カラメルソースに似た甘苦い余韻。)
おすすめ度:☆☆☆☆(現行品なら☆5。終売から間もないためか価格もそこまで上昇はしていませんので、気になる方は試して良いと思います。)
終売と品薄により、熟成年数の記載された日本のウイスキーは滅多にお目にかかれない状況が続いています。
ウイスキー人気が高まったせいか。
原酒の枯渇により生産が追い付かないのか。
はたまた小遣い稼ぎための、転売の標的となっているゆえか。
いつかまた、しっかりと熟成された美味しい国産ウイスキーを気軽に飲める日が来ることを待ちわびています。
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あの夏へ フロムザバレル
多くを語る必要はありません。
ただ、飲んでみればわかる。
美味さがわかる。
それが、ニッカウヰスキーのフロムザバレルです。
ストレート /
香り:濃く甘い干しブドウ、清涼感のあるハーブ。シェリーやフルーティなメープルシロップのような、コクのある甘い香りも漂います。度数の高さゆえアルコールの刺激はありますが、嫌悪感を感じるようなものではありません。
味わい:ナッツのような香ばしさ、余市原酒由来と思わせるやさしく心地よいスモーク感、宮城峡由来を思わせるシェリーの甘味、木樽のほんのりとした渋味。甘い口当たりと骨太な飲みごたえ。最後にはスパイシーさの余韻が残ります。
ロック /
香り:非常に華やかな甘い香り。干しブドウとメープルシロップ、バニラ様の香りも感じます。
味わい:甘味とウッディネス、スモークさに加え、ビターさと渋さが顔を覗かせます。飲みやすくはなりますが、ストレートでこそ、このウイスキーの真価が感じられるように思います。
香り、味わいともブレンドオブニッカの血脈を感じさせる印象。ライトで繊細、やわらかなブレンドオブニッカ。重厚で芯の太い、しかし滑らかな味わいのフロムザバレル。そんなふうに感じ取れました。
言わずと知れたニッカの人気銘柄であるフロムザバレルですが、個人的な意見で言えば、熟成年数表記の無いジャパニーズウイスキー製品のうち、あらゆる面から見て人気・実力の両方を備えたトップブランドだと言えると思います。その特徴は以下の通り
・ブレンドしたモルト、グレーンの原酒を樽に再貯蔵し、最低限の加水でボトリングされるゆえ「カスクストレングス」に近い。アルコール度数51%で、ウイスキー本来の美味さ、味わいを楽しめる。
・瓶が注ぎにくい。デザインはオシャレ。四角い瓶とシンプルなラベルは、樽から切り取られた「ウイスキーの塊」を表している
・お店の棚で始めてフロムザバレルの質素なデザインを目撃したハミングバード99の感想「なんで普通のスーパーに業務用品が…??」
・とにかく注ぎにくい。でもそれは個性。
・注ぎにくい。開封直後にこぼさないでグラスに注げる人っているの?
こんな感じです。注ぎにくいボトルだということが少しは分かっていただけたでしょうか。しかし、その注ぎにくさもフロムザバレルの個性。そのため、瓶のデザインを変えてほしいとは一寸も思いません。これでいいのです。そう、これでいいのだ。
ハミングバード99の個人的評価
お酒名:ニッカ フロムザバレル
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:2500円程(500ml)
アルコール度数:51.4%
香り:☆☆☆☆☆(香りは甘く、華やか。高いアルコール度数ゆえの刺激はありますが、度数から考えれば穏やかなもの。)
味:☆☆☆☆☆(飲みやすさと飲みごたえを両立した満足度の高い味わい。飲み過ぎに注意です。)
おすすめ度:☆☆☆☆☆(ただただ、美味しいです。現在の状況において、ジャパニーズウイスキーのうちおすすめできる数少ない銘柄になります。)
しかし、雨の日が続きますね。たまにはお日様を浴びないと、気が滅入ってしまいそうです。人間の身体って、日光を浴びないと気分が鬱々としてしまうようになっているんですよね。
気付けばもう6月の末。子供たちは夏休みになるのを、指折り数えて待っている頃でしょうか。…いや、きっと違いますね。
子供にとっての「もうすぐ」は、大人の「もうすぐ」よりもずっと長いのでしょう。子供の頃を思い出すと、「もうすぐ夏休み」と思いはしても、それは今の、大人の「もうすぐ」よりはずっと長い時間でした。
子供にとっては1日が長い。授業の45分が、とても長く感じた。楽しい授業は、「もう終わっちゃうのか」と思っていた。
いつからだろう。「早く帰りたいな」とばかり思うようになったのは。「この仕事から解放されたいな」「早く給料日にならないかな」。
「この時間が続かないかな」思うことが、大人になってなくなってしまった。だから、時間が過ぎるのが早く感じるのかもしれません。
最近それを考えてふと、お酒を飲んでいるときは時間の流れがゆったりに感じられることに気づきました。誰かと一緒なら尚更に。きっと私にとってはお酒を飲んでいるときが、「この時間が長く続いてほしい」というゆったりと過ごせる楽しい時間のひとつなのだと思います。
この記事を読んでくれている人にも、そんなひとときがあるといいなあ。
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―――夏が来るぞ。夏が来るぞ!
1年で一番賑やかな季節。プールもラジオ体操も、夏祭りも花火大会も。
プール帰りに駄菓子屋で食べた、アイスの味を覚えているか?
波打った形のあのソフトクリーム、今でもたまに食べたくなるよ。
2つに分かれるソーダバー、あいつと一緒に食べたっけな。
夜にカブトムシやクワガタを探したことはあるか?
夜の街を歩き回って、それから雑木林にも行ってみたよ。
セミの羽化を見たときは感動したな。
おじいちゃん、おばあちゃんと過ごした夏休みはあるか?
なかなか会いに行かなかったよね。ごめんなさい。
あなたと過ごした大切な時間が、今でも私の支えです。
宿題が終わらずに焦った記憶はあるか?
先生に「やったけど忘れました!」とか見え透いた嘘を言ったこともあるな。
朝までかけて宿題を終わらせた夏もあった。
たくさんの時間をかけてやっと、この歳になってやっと、積み重ねることのおもしろさに気付きましたよ、先生。
大人になって時間に追われて、大切なものを忘れてないか?
時間に追われて忘れてしまった。何を忘れたのかも思い出せない。
今年の夏は、それを思い出してみないか?
私はそうする。きっと思い出せる。
みんな、夏が来るぞ。準備はいいか?
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ラフロイグ クォーターカスク
王とは 誰よりも鮮烈に生き 諸人を魅せる姿を指す言葉。
全ての勇者の羨望を束ね その道標として立つ者こそが王。
(ある物語作品の一節より)
クセ毛の人間ハミングバード99にはつらいこの時期梅雨のですが、涼しい晴れの日や曇りの日に水田沿いの道を歩いていると、カラララッ…コロロロッ…と、蛙たちの澄んだ声が水の上を通って、辺りに木魂すの聞くことができます。
また、雨が降る前になると、ケッケッケッケッケ…もしくはケロケロと、小さな蛙たちが雨粒を呼ぶ声がコンクリート脇の草むらから立ち昇ってくる。そんなふうに、季節を感じる場面に出会うと、つらい梅雨もそんなに悪くはないかなと思うことができます。そして夜に立ち昇るのは、グラスから漂うお酒の香り。
6月の夕刻、まだ明るい夕方の雨上がりの道を、少しの時間散歩してみました。濡れたアスファルトの感触と匂いに誘われ、辿り着いたのはバー。本日はそちらで御馳走になったウイスキー、ラフロイグをご紹介します。
ラフロイグの蒸留所が佇むのは、スコットランド西岸に位置するアイラ島。そこはボウモアやブナハープン、アードベッグ、ラガヴーリンといった名を馳せる蒸留所がひしめく、ウイスキーの聖地として知られています。
また、ラフロイグの名は”広い入り江の美しい窪地”を意味しますが、その名の通り蒸留所の存在する入り江は雄大な自然に囲まれた美しい姿をしています。強烈なピートと独特の薬品のような香りを有するラフロイグの酒質は「アイラモルトの王」とも呼ばれ、
「好きになるか嫌いになるかの2択」と言われるほど非常に個性的であるのは有名な話です。
今回のクォーターカスクは通常の大きさの樽を一度解体し組み替えて、小さめの樽をつくり、そこでウイスキー原酒を熟成させた製品で、小さな樽なので原酒に対して樽の触れる面積が大きく、通常の樽より早く熟成が進むと言われています。
クォーターってことは…通常樽の1/4の大きさってことなんですかね、きっと。では、実際に飲んだ感想をご紹介していきますね。
ストレート/
香り:潮の香り、ピート、はっきりと感じられるヨード香(ヨードチンキ、あの消毒薬の香り)。ブラックペッパーのようなスパイスと、ドライフルーツのような甘さも伴います。
味わい:ソルティさを伴う、やさしい甘み。喉を通り鼻腔へと抜けていく重厚で爽快なピート。高い度数(48%)にも関わらずアルコールの刺激はほとんどなく、まろやかですが強いスモーキーさと、タバコの葉のようなやさしいスパイシーさが感じられます。わずかにビター。実際、好きになるか嫌いになるか、一度試して欲しいおもしろいボトルです。
ハミングバード99の個人的評価
お酒名:ラフロイグ クォーターカスク(今は限定品ぽいですね…)
分類:シングルモルトウイスキー
価格:3500~4000円程(700ml)
アルコール度数:48%(!)
香り:☆☆☆☆(潮気を伴ったピート、ヨードの薬品感。ヨード臭ってどんなさ?と知りたい方のサンプルにもいいかも。)
味:☆☆☆☆☆(強いピート感。高いアルコール度数を感じさせないまろやかさ。)
おすすめ度:☆☆☆☆(個人的な美味しさならば迷わず☆5ですが、いかんせんクセが強いです。ピートの香味に慣れたらぜひ!)
今回の記事の冒頭にある文は、ある物語作品の一場面での台詞ではあるのですが。仮にあれがあながち間違っていないとすると…。
鮮烈な個性を持ち、多くの人々を魅了するしている。
酒飲み達の羨望を束ねて、その眼差しの先にあるウイスキー。
これが当てはまるであろうラフロイグはたしかに、「アイラモルトの王」と呼ばれるのは自然なことなのかもしれませんね。まあ…美味しければ王とかどうでもいいんですけど。
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