SAKE&WHISKY'S GARDEN

昔々、とある会社でお酒をつくっていたハミングバード99の酒飲みレポート。基本的にお酒は、おすすめできる美味しいもののみご紹介しています。

シェリー オズボーン ペドロヒメネス ベリースイート

※今日の記事には漫画「名探偵コナン」のネタバレ?が多少含まれます!ご注意を!


20年以上の連載期間を持つだけあって、漫画・アニメ版共に大人の方の中にも結構な数のファンがいらっしゃるのが「名探偵コナン」です。最近の内容はわからないけれど、たまに再放送で昔のエピソードを目にすると今でもおもしろく感じます。劇中には「黒の組織」と呼ばれる敵達が登場するのですが、その特徴はコードネームが「ジン」や「ウォッカ」といったお酒の名前となっていることでしょう。そしてその中には、「シェリー」というコードネームを持つ魅力的なキャラクター、灰原哀さんが登場するのですが、私の知っている範囲では彼女のみ主人公の味方となっています。いやー、林原めぐみさんの声って、何回聞いても素敵ですよね。


さて、そんな子供たちですら知っている「シェリー」という名のお酒ですが、どんなお酒なのかを知っている方って実は意外と少ないんですよね。今日はそのシェリー酒についてご紹介していきたいと思います。


シェリー酒はスペイン・アンダルシア地方で生産が盛んな酒精強化ワイン。酒精強化というのは、醸造の途中でアルコールを添加してアルコール度数を引き上げることです。甘口のシェリーやポートワインをつくる場合は収穫したブドウの水分を天日干しによって蒸発させて甘味を凝縮させたり、糖→アルコールの変換が行われている発酵途中でアルコールを添加することで発酵を停止させ、酒中の糖分を多く残留させます。


シェリー」という呼称についても厳格に定められていて、ブドウの品種・栽培地、熟成の条件・土地などを満たしていなくてはいけません。以前ブログでご紹介したソレラ・システム(継ぎ足し続ける秘伝のタレのようなもの、継ぎ足し熟成することで高い品質と味を一定に保つ)も使われています。同じシェリーでも、フィノ・マンサニーリャ・オロロソなど、製法や熟成場所などによってさまざまな名称タイプで呼ばれます。魅惑的な高い香りや甘みから、ウイスキーや、近年では日本酒の熟成にもシェリー酒の熟成に用いられた樽が人気になっています。

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今回飲んでいくのは雄牛のシルエットが印象的なオズボーン社の極甘口シェリー、「ペドロヒメネス・ベリースイート」です。グラスに注ぐと、独特のねっとりとした黒糖のような甘い香りが漂います。また、ハチミツや干し葡萄を思わせる香りも含まれています。ウイスキーも干し葡萄の香りがするものは多々ありますが、このシェリーはまさに絡みつくような濃厚な甘い香りです。


口当たりも濃厚でフルーティー、少しとろみがあります。甘さと共にコーヒーにも似たビターさ。それから、ほんのりとしたスパイシーさも感じます。余韻も濃密で、なんだかよく眠れそうな気がします…(笑)軽い風邪のときなんかは、甘いシェリーを電子レンジにかけてハチミツや柑橘を入れると、体がポカポカと温まるんですよね。香りも味もとても強いので、温かい今の時期や夏にはロックや炭酸水で割ってもおいしく楽しむことができますよ!

 

シェリーの話をしていたら、映画の茄子~アンダルシアの夏~が観たくなってきてしまったな…。

hummingbird99の個人的評価
お酒名:オズボーン ペドロヒメネス ベリースイート
分類:シェリ
価格:2000円程
アルコール度数:17%
香り:☆☆☆☆☆(黒糖に似た濃密な甘い香り。)
味:☆☆☆☆☆(とても熟した果実の甘味、コーヒーのビターさ。)
おすすめ度:☆☆☆☆☆(シェリカスク熟成ウイスキーが好きな方や、甘いお酒が好きな方に。)

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