SAKE&WHISKY'S GARDEN

昔々、とある会社でお酒をつくっていたハミングバード99の酒飲みレポート。基本的にお酒は、おすすめできる美味しいもののみご紹介しています。

ナイトクルーズ= ブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズ(追記あり)

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「いつか、俺はあの海の向こうへと渡るんだ。」
幕末の維新志士、坂本竜馬は幼い頃から、土佐湾の遥か向こうを眺めて友人にこう言っていたそうです。その幼少期に抱いた憧れが、後年彼を海援隊の結成へと導いていったのでしょう。


内陸育ちの私も、小さな頃から海に対しては憧れを持っていました。時に美しく、時に楽しく、時に恐ろしい姿を見せる脅威と驚異に満ちた環境が、いつの時代も好奇心を持つ者の心を刺激するのかもしれません。そしてその好奇心を持つ者は、様々な物事へと興味を示すのです。もちろん、新しく発売されるお酒にも。


今回ご紹介するのは、近日ニッカウヰスキーより発売されたブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズ になります。リリースについての細かな情報はメーカーのHPをご覧ください。個人的な感想ではありますが、なかなかに当たりのボトルかな、と思っています。

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蒼い月を背景に、海上に佇む帆船のシルエットが印象的なパッケージ。落ち着いていて素敵ですよね。ただ、なんだろう。ブラックニッカ伯爵の見慣れたイラストが安っぽさも醸し出しているような…。いや、嫌いではないんですよ決して(汗)。 うーん、せめてクロスオーバーとかアロマティックの時のようなフロスト瓶だったら、特別感があるんですけどね。ラベル変更だけだとパッとしないですよね。


ストレート/
香り:甘さを伴う、しっかりとしたスモーク、ピートの香りと、海藻の香りも少し。以前に発売された同シリーズのエクストラスイートやリッチブレンドのエクストラシェリーに比べると、大分アルコールのツンとした刺激は抑えられているように思います。

味わい:ピリピリとした刺激はあるものの、口当たりはなかなか柔らかで、甘みがはっきりと感じられて飲みやすいです。酸味、というか塩気もあり、ボウモアやダルヴィーのようなソルティさを想起させます。そして、ごくりと飲み込んだ後に鼻を抜けていくのはスモーク、ピート感。燻したような香味を十分に堪能することができます。喉にアルコールのドライな刺激、けっこうなヒリヒリ感はあるものの、十分に美味しいです。


ロック/
香り:チョコレートやラムレーズンアイスクリームのような甘く華やかな香りの中に、珈琲のようなビターさが混じります。氷がかなり解けると干し芋のような甘い香りも感じられました。

味わい:甘く、ほろ苦いです。うまい。飲みやすいですがスモーキーな余韻も変わらず感じることができ、味は間延びせずしっかりした味わいと飲みごたえがあります。


前2つの限定版があまり好きになれなかったので期待していなかったのですが、個人的な好みもあってかこのナイトクルーズは良い買い物だと思えました。スモーキーさとピート感を強調しつつも飲みやすい仕上がりとなっていて、価格的に近いジョニーウォーカーの12年などと比べても十分購入の選択肢に入ってくる製品だと思います。開栓から2日程度ですが(喉への刺激以外は)アルコール感も落ち着いていて、10年熟成の余市と若い原酒に加え、わりと熟成した輸入原酒でもブレンドしたのかなと一瞬考えたくらいです。


ピート感というものを体験したい!というビギナーの方や、アイラモルトのスモーク、ソルティな味わいが大好きな方に特におすすめできます。


hummingbird99の個人的評価
お酒名:ブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズ
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:2000円程(700ml)
アルコール度数:45%
香り:☆☆☆☆☆(スモーキーさ感じる、甘い香り。NAながら嫌な刺激はそこまでありません。)
味:☆☆☆☆☆(ソルティさやピート感を楽しめる、甘く飲みやすい味わいです。ただし飲みこんだ際に喉が焼け付くよう。)
おすすめ度:☆☆☆☆(ビギナーの方がピートに親しむための1本として。また、スモーク大好きさんの普段飲みにもおすすめです。)

 


ちなみに私事なのですが、このhummingbird99、幼少期はよく海の中でおしっこをしておりました。同時刻に海水浴場に来ていた方、並びに食事中に当ブログをご覧の方々に心よりお詫び申し上げます。

 

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2019/6/6 追記

好評を得てか値上げを始めた酒販店や通販サイトが現れてきていますが、定価以上での購入は正直おすすめしません。このクオリティが普及価格帯で手に入ることはとても嬉しいことですが、3000円、4000円と値段が上がってくると、似た味わいでさらに高品質のウイスキーはいくつもあると思います。ボウモアやブナハープンといった名だたる銘酒の、しかも12年物が購入できる価格帯です。

 

「限定」という言葉の響きは非常に魅惑的で、所有欲が刺激されるところではあるものの、それによって美味しいウイスキーを選ぶための視野が狭まってしまうようにも感じます。加熱するジャパニーズウイスキー市場ですが、美味しく楽しく嗜むためにも冷静になってお酒選びをすることをおすすめします。