SAKE&WHISKY'S GARDEN

昔々、とある会社でお酒をつくっていたハミングバード99の酒飲みレポート。基本的にお酒は、おすすめできる美味しいもののみご紹介しています。

ラフロイグ クォーターカスク

王とは 誰よりも鮮烈に生き 諸人を魅せる姿を指す言葉。
全ての勇者の羨望を束ね その道標として立つ者こそが王。

 (ある物語作品の一節より)

 

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クセ毛の人間ハミングバード99にはつらいこの時期梅雨のですが、涼しい晴れの日や曇りの日に水田沿いの道を歩いていると、カラララッ…コロロロッ…と、蛙たちの澄んだ声が水の上を通って、辺りに木魂すの聞くことができます。


また、雨が降る前になると、ケッケッケッケッケ…もしくはケロケロと、小さな蛙たちが雨粒を呼ぶ声がコンクリート脇の草むらから立ち昇ってくる。そんなふうに、季節を感じる場面に出会うと、つらい梅雨もそんなに悪くはないかなと思うことができます。そして夜に立ち昇るのは、グラスから漂うお酒の香り。


6月の夕刻、まだ明るい夕方の雨上がりの道を、少しの時間散歩してみました。濡れたアスファルトの感触と匂いに誘われ、辿り着いたのはバー。本日はそちらで御馳走になったウイスキーラフロイグをご紹介します。

 


ラフロイグの蒸留所が佇むのは、スコットランド西岸に位置するアイラ島。そこはボウモアやブナハープン、アードベッグラガヴーリンといった名を馳せる蒸留所がひしめく、ウイスキーの聖地として知られています。


また、ラフロイグの名は”広い入り江の美しい窪地”を意味しますが、その名の通り蒸留所の存在する入り江は雄大な自然に囲まれた美しい姿をしています。強烈なピートと独特の薬品のような香りを有するラフロイグの酒質は「アイラモルトの王」とも呼ばれ、
「好きになるか嫌いになるかの2択」と言われるほど非常に個性的であるのは有名な話です。


今回のクォーターカスクは通常の大きさの樽を一度解体し組み替えて、小さめの樽をつくり、そこでウイスキー原酒を熟成させた製品で、小さな樽なので原酒に対して樽の触れる面積が大きく、通常の樽より早く熟成が進むと言われています。


クォーターってことは…通常樽の1/4の大きさってことなんですかね、きっと。では、実際に飲んだ感想をご紹介していきますね。

 

ストレート/
香り:潮の香り、ピート、はっきりと感じられるヨード香(ヨードチンキ、あの消毒薬の香り)。ブラックペッパーのようなスパイスと、ドライフルーツのような甘さも伴います。


味わい:ソルティさを伴う、やさしい甘み。喉を通り鼻腔へと抜けていく重厚で爽快なピート。高い度数(48%)にも関わらずアルコールの刺激はほとんどなく、まろやかですが強いスモーキーさと、タバコの葉のようなやさしいスパイシーさが感じられます。わずかにビター。実際、好きになるか嫌いになるか、一度試して欲しいおもしろいボトルです。

 

ハミングバード99の個人的評価
お酒名:ラフロイグ クォーターカスク(今は限定品ぽいですね…)
分類:シングルモルトウイスキー
価格:3500~4000円程(700ml)
アルコール度数:48%(!)
香り:☆☆☆☆(潮気を伴ったピート、ヨードの薬品感。ヨード臭ってどんなさ?と知りたい方のサンプルにもいいかも。)
味:☆☆☆☆☆(強いピート感。高いアルコール度数を感じさせないまろやかさ。)
おすすめ度:☆☆☆☆(個人的な美味しさならば迷わず☆5ですが、いかんせんクセが強いです。ピートの香味に慣れたらぜひ!)

 

 

今回の記事の冒頭にある文は、ある物語作品の一場面での台詞ではあるのですが。仮にあれがあながち間違っていないとすると…。


鮮烈な個性を持ち、多くの人々を魅了するしている。
酒飲み達の羨望を束ねて、その眼差しの先にあるウイスキー


これが当てはまるであろうラフロイグはたしかに、「アイラモルトの王」と呼ばれるのは自然なことなのかもしれませんね。まあ…美味しければ王とかどうでもいいんですけど。


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