SAKE&WHISKY'S GARDEN

昔々、とある会社でお酒をつくっていたハミングバード99の酒飲みレポート。基本的にお酒は、おすすめできる美味しいもののみご紹介しています。

アルバータ ライウイスキー ダークバッチ

アルバータ、と聞いて最初に思い浮かぶものはなんでしょうか。もしかしたら少年の頃恐竜が大好きだった男性陣なら、ああ、カナダのアルバータ州か、肉食恐竜アルバータサウルスの骨格が見つかった土地だね、と思うかもしれません。


私、hummungbird99はグレーンウイスキーがかなり好きなのですが、カナダのその土地にも「アルバータ蒸留所」が存在しており、ライ麦100%のグレーンウイスキーを生産していることで知られています。今回はそのアルバータ蒸留所の生産するアルバータ ライウイスキー ダークバッチ について記していこうと思います。

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まずライ麦について簡単に紹介しますと、「より寒い、痩せた土地でも育つ小麦のようなもの」だと思っていただいて結構です。北ヨーロッパとか東ヨーロッパ、ロシアなどでの栽培が盛んで、主食としてだけでなく蒸留酒の原料としても用いられてきました。日本でも、「ライ麦パン」などでおなじみですよね。素朴な味で美味いんだーあれ…。


で、今回記述するウイスキーなんですが、どうも100%ライ麦ウイスキーというわけではなくて、バーボンウイスキーが少し入っているようなんですね。あとは裏ラベルにシェリーの文字があったので、もしかしたらシェリー樽の原酒も使ってるのかな?と思いつつ購入いたしました。ラベル正面の「RYE」の文字が私のハートを掴んで離しませんでした。というか飲むまでRYEの文字しか気にしてなかった、半年以上しまっておいたのに。


さて、いつも通りストレートから飲んだんですが、まず香りにびっくり。「えっ!?」っていうくらいシェリーの香りがするんですよね。一昨日にオズボーンのシェリーを飲んだばかりだから、匂いが鼻に残ってたのかな?と思うくらいに濃密なシェリーの香り。それから干し葡萄、カラメル、そしてハーブとリンゴの皮の部分の香りも混じっている。アルコール度数が45度と高めな分、ツンとしたアルコールの香りも少し。実際に飲んでみるとまず甘みが来るのですが、ウッディでスモーキー、渋みも少し。スパイシーであり、バーボン感も混じっています。フルーティーですが独特の香ばしさがあり、グレーンウイスキー好きの私としては「ああ、これがライ麦グレーン。おもしろなぁ」と嬉しくなってにっこりしてしまいます。ちなみに開栓から日にちが立つと、プラムのような果実感のある甘酸っぱさも出てきました。


次に氷を浮かべてロックに。香りにはやわらかな甘さと華やかさが開き、カラメル、バーボン由来なのかバニラの香りがしてきます。味わいも甘みがより前面に出てきますが、飲み下すとウッディ、スモーキーさとスパイシーさ、淡い渋みの余韻が残ります。アルコールが薄まるからか、ドライ感はかなり和らぎますね。


飲みながら調べてみたところ、カナダのウイスキーは法律上他のお酒を混ぜてもいいらしく、こちらのダークバッチには91%のライ麦グレーンウイスキー、8%のバーボンウイスキー、そしてなんと1%のシェリー酒そのものがブレンドされているとのことでした。濃密なシェリー香の理由はこれに起因していたんですね。シェリカスクの人気ぶりを見て、常日頃から「そんなにシェリーが好きならシェリー酒を混ぜて飲めばいいんじゃないの」と思っていたのですが、まさか本当に実行している蒸留所があるとは…。


驚きつつも、新たなウイスキーとの出会いに心ときめく春の夜でした。

 

hummingbird99の個人的評価
ウイスキー名:アルバータ ライウイスキー ダークバッチ
価格:3000円程
アルコール度数:45%
香り:☆☆☆☆(シェリーが好きな人なら試してみて損はないかと。)
味:☆☆☆☆(ライ麦グレーン、バーボン、シェリーそれぞれの個性が見事に調和しています。)
おすすめ度:☆☆☆☆(個人的には☆☆☆☆☆。人に進めるとなると、ライ麦グレーンの香ばしさが苦手な人もいるかも。)

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