SAKE&WHISKY'S GARDEN

昔々、とある会社でお酒をつくっていたハミングバード99の酒飲みレポート。基本的にお酒は、おすすめできる美味しいもののみご紹介しています。

グレンフィディック15年 ソレラリザーブ

 

 

4月に入り、頬を撫でる風はまだまだ冷たいものの、陽光は日一日と温か味を増しています。最近では桜の花も咲き始めたようで、私も今日外で見かけて「世は春だなあ」、と季節の移り変わりを感じておりました。新たな元号も発表されたそんな卯月に入り、最初に飲むお酒はグレンフィディック15年 ソレラリザーブ でございます。

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グレンフィディックと言えば、スコッチウイスキーの中でも「単一の蒸留所で造られたウイスキー」のみで構成される「シングルモルトウイスキーという分野を開拓したパイオニアとして大変有名ですよね。価格も手ごろで、私も日頃からお世話になっています。ちなみに、グレンフィディックには「鹿の谷」という意味があるそうですよ。今回記載していくソレラリザーブは、バーボン・ホワイトオーク・シェリー樽の3種の熟成原酒を、シェリー酒の熟成に用いられる「ソレラ・システム」を採用してさらに熟成させたものということなんですね。


…ソレラシステムがよくわからない?そうですね…。よく「100年間継ぎ足し続けた秘伝のタレ」とかって聞くじゃないですか、まさにあれです。ソレラバットという後熟用の大桶があるんですが、出荷によりそのウイスキー貯蔵量が一定以下になると新たな原酒が継ぎ足しで注ぎ込まれ、また熟成し、再び出荷、というサイクルが繰り返される。ものすごく大雑把ですけど、だいたいそんなイメージをしていただければいいと思います。


さて今回のウイスキーですが、ソレラリザーブという銘からも飲む前からシェリーを想像していました。実際はどのような酒質なのか気になるところです。


グラスに注いで香りを確かめると、やはり黒糖を思わせるシェリーの甘い香りがまず現れます。そしてウッディな樽香、干し葡萄、蜜の詰まったリンゴやラフランスのような洋梨、熟したプラムを思わせるフルーティーさ。チョコレートやシナモンも僅かに感じます。早く口にしてみたい、と思うようなとてもかぐわしい香りでした。


ストレートで飲んでみると、甘さと樽のウッディさがまず感じられ、次いでスパイシー、複雑で深いフルーティさが漂います。余韻はオーキーで、同じグレンフィディック12年のフレッシュさに比べ、まさに「熟した」という表現が相応しい味わいとなっています。グラスを口に運ぶたびに、鼻腔を刺激するうっとりするような香りを感じられます。


氷を入れたロックだと、シェリーとハチミツ、バニラ、そして…さくらんぼ?の香りが華やかさを放ちます。味は…なんだろう、単に薄まった感が(汗)。いや、氷を入れてるから当然薄まるんでしょうけど。淡い甘さのやさしい口当たりで、スモーキーさとウッディネスを感じられて飲みやすいのですが、ストレートで感じられた「熟した果実の濃密さ」も霧散してしまったように感じられます。氷が多かったかなー、もったいない。いつもはロックが美味しく感じられて好きなのですが、今回のウイスキーはストレートの方が向いているのかもしれないですね。


私は普段、ハイボールはあまり飲みません。代わりに、バランタインのファイネストとかをトニックウォーターで割ることが多いです。今回のグレンフィディック15年 ソレラリザーブもなんとなくトニック割をつくってみたのですが、これが意外に美味しいんですよね。シェリーやプラムの香りはトニックの香りと自然に調和していますし、ソレラリザーブの濃密さもトニックの甘み、ビターさを取り込んで飲みやすい。もったいないような気もするけれど、これはこれでありかなと思います。すごく爽やかで、春の季節の気分転換のカクテルに良さそう。問題点としては、飲みやすすぎてウイスキーの減りが加速することですね…。

 


空に咲く桜の花を仰ぎながら、我が世の春がきたァァァ!とほろ酔い気分で春を迎えるhummingbird99でした。


hummingbird99の個人的評価
ウイスキー名:グレンフィディック15年 ソレラリザーブ
価格:5000~6000円程
アルコール度数:43%
香り:☆☆☆☆☆(熟した果実の濃密な香りが立つ。)
味:☆☆☆☆☆(ストレートがおススメ。12年と飲み比べるとさらにおもしろいと思います。)
おすすめ度:☆☆☆☆☆(12年のさらに上を、のエントリーとして申し分ない1本です。世界で一番売れてたシングルモルトは伊達じゃない!)


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