ザ ニッカ12年(終売品)
12年熟成って、考えてみればすごいですよね。人間で言ったら生まれた子供が、小学6年生になってるわけですから。いろんな成長の過程のある、とてつもなく長い時間ですよね。
それが数千円で買えるのだから、12年もののウイスキーというのは意外とリーズナブルなのかもしれません。成人祝いに20年前に樽詰めされたウイスキーを「いつか飲んでね」と贈ったりとか、素敵ですよね。
さて今回は、2019年の3月に終売になったニッカの社名を冠した渾身の銘柄「ザ ニッカ12年」をご紹介します。2014年に連続テレビ小説「マッサン」の放映に合わせ発売されて以来、わずか5年弱での終売となりました。かつての公式サイトでの紹介は、以下のようなものです。
「竹鶴政孝がこだわり続けたブレンデッドウイスキー。12年以上の原酒を厳選してブレンドしたプレミアムブレンデッドウイスキー「ザ ニッカ12年」。
余市・宮城峡蒸留所でつくりあげたモルト原酒を竹鶴政孝から受け継ぐ卓越した技術でブレンド。重厚な熟成感とメローなコクの調和を、ぜひお楽しみください。」
終売になる前は、日本産のウイスキー各社のシングルモルトが品薄になる中、長い間棚に残っていた記憶があります。宮城峡と余市のシングルモルト10年は終売により既に高値が付いていましたので、私にとってはそれらの味を感じられる良い商品でした。
また、折り重なる想いをあしらったガラスボトルと木製の大きなボトルキャップも目を引く素敵なデザインで、贈答用にも向いていたと思います。しかしジャパニーズの年代物のわりに、売れ残っていたのはなぜでしょうかね。
では実際にご紹介していきます。
ストレート /
香り:ふわりと立ち上る、メロンのような瑞々しいエステル香。芳醇な干しブドウ、ハチミツやカラメルの甘い香りを感じます。他にも上品なナッツ、ミルクチョコレートのコク、シロップの染み込んだブランデーケーキ。
味わい:さらり、としたやわらかな口当たり。甘さに加え、ピリリとした刺激をいくらか伴う酸味。木樽の渋さと香辛料のようなスパイス感が少し。乾いた麦の皮のような香ばしさはカフェグレーンか。これに加えてピートのスモークが鼻を抜けていきます。カラメルソースのようなほろ苦ですっきりと甘い余韻が残り、極僅かに塩気も感じます。
総じて飲みやすい仕上がりながら飽きの来ない様々な表情を持つという、ウイスキー初心者から玄人まで多くの方が楽しめるような酒質となっており、まさにニッカのブレンド技術の結晶と言えるボトルであると思います。終売となったのが残念でなりません。
インターネットでは価格が上がっているものの、特に地方だとまだ定価で販売している酒屋さんも見られます。私もあと1、2本買い足しておこうかなぁ。
ハミングバード99の個人的評価
お酒名:ザ ニッカ12年
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:6400円程(700ml)
アルコール度数:43%
香り:☆☆☆☆☆(瑞々しい果実香と、ナッツやチョコレートのコクがふわりと香ります。)
味:☆☆☆☆☆(やわらかなほの甘い口当たりと、香ばしく、スモーキーな含み香。カラメルソースに似た甘苦い余韻。)
おすすめ度:☆☆☆☆(現行品なら☆5。終売から間もないためか価格もそこまで上昇はしていませんので、気になる方は試して良いと思います。)
終売と品薄により、熟成年数の記載された日本のウイスキーは滅多にお目にかかれない状況が続いています。
ウイスキー人気が高まったせいか。
原酒の枯渇により生産が追い付かないのか。
はたまた小遣い稼ぎための、転売の標的となっているゆえか。
いつかまた、しっかりと熟成された美味しい国産ウイスキーを気軽に飲める日が来ることを待ちわびています。
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