SAKE&WHISKY'S GARDEN

昔々、とある会社でお酒をつくっていたハミングバード99の酒飲みレポート。基本的にお酒は、おすすめできる美味しいもののみご紹介しています。

寒菊 直汲み生原酒 愛山50

今年は4月の後半くらいまで寒い日がありましたが、最近ではすっかり暖かくなりましたね。おそらく今の時期は、東北地方で田植えが行われているかと思います。田植えが済んだばかりの水田では、昼は青空が、夜は月が水面に反射してとても綺麗です。水田は1年のうちに様々な姿を見せてくれますが、個人的には今の時期が一番美しいと感じます。私にとってお米は食べるだけではなく、栽培途中の姿を見ることも楽しみのひとつです。


そういうわけで、今日は久しぶりにお米から造られるお酒、日本酒をご紹介。九十九里浜にほど近い、千葉県山武市に蔵を構える寒菊銘醸さんの醸す純米大吟醸酒。寒菊 直汲み生原酒 愛山50です。春なのに「寒」菊のお酒なのはご愛嬌でございます…(笑)

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開栓をする時、キャップをひねると同時に聞こえたのは「シュゥッ」という音。生原酒ということもあり、これは発酵由来のガスが残されているタイプのお酒かな、という予想が頭に浮かびます。スパークリングタイプのようなシュワシュワではなく、口に含んだ時や飲みこむときの喉にきめ細やかなガスを感じるものがあるんですね。


グラスに注ぐと感じられるのは、果実のようでありながらもしっかりとお米由来であることを主張する甘い香り。吟醸タイプに多い、マスカットやメロン様の香りとはまた系統を異にするものですね。とても芳しいです。


口にしてみると、上品な甘みと繊細な含み香、乳酸の酸味と、やはり炭酸ガスのやさしい刺激。大吟醸でありながらも決して軽すぎす、米の旨みを十分に感じられます。単に「フルーティー」というものではない、日本酒のスタンダードを極めたような王道の美味しさです。敬遠されがちな酒特有の臭みも無いので、日本酒な苦手な方にも十分おすすめできます。

 

ずっと引っかかってはいたんですよね、ブログのタイトルにSAKE&WHISKYと謳っているのに日本酒の記事が1本しかないという現状が。やっと日本酒記事が増えました…(笑)冷酒やハイボールが美味しくなるこれからの季節、より多くの美味しいお酒をご紹介し、たくさんの人々が楽しめるサイトを創り上げていきたいと思います。

 

お酒名:寒菊 直汲み生原酒 愛山50
分類:純米大吟醸酒
価格:2000円程
アルコール度数:16%
香り:☆☆☆☆☆(お米を連想させる甘く澄んだ香り。)
味:☆☆☆☆(やさしい甘みと酸味を感じる上品な味わい。炭酸ガスのアクセントも心地よいです。)
おすすめ度:☆☆☆☆(様々な人々や料理、場面に対応できるお酒です。ただし、ガス感が苦手な人には向かないかもしれません。)

 

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シーバスリーガル12年

多くの物に終わりが存在するのと同様に、始まりもまた存在します。終わりとともに始まるのか、あるいは終わる前から始まっているのかはわかりませんが、とにかく何かが始まるあのそわそわとした感覚というのは、冒険心というものを思い出させてくれます。


誰しもが、はじまりのお酒を持つのでしょう。友人と祝う成人式か会社の付き合いか、家族で囲んだ食卓か。あるいは幼少期に、お祭り会場で近所のおじさんに勧められたビールか。ちなみに私のはじまりのウイスキーは、このスコッチのブレンデッドウイスキー。シーバスリーガル12年でした。あの頃はまだ、ウイスキーをストレートで口にするのは苦手でした。今では大好きです(笑)さあ、早速飲んで行きましょう。

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ストレートで注いだグラスからは、ほのかな干し葡萄、ハチミツの甘い香りと、炒ったアーモンドの甘香ばしい香りを感じられます。ブランデーケーキを連想する人もいるでしょう。味わいは甘くやさしい口当たり、リンゴのような爽やかな酸味と、ナッツのようなオイリーさ、軽く舌がピリピリとするスパイシーさ。甘味とビター、ピートの含み香のバランスがとれた深い余韻が残ります。いつ飲んでも美味しいウイスキーが身近にあるというのは、いいものですよね。


続いて、氷を入れてロックに。チョコレートのようなビタースイートな香りが強く感じられるようになりました。味はスイートかつスパイシー、ピートの味わいが強く感じられます。甘味と苦味のバランスが絶妙で、飽きが来ません。身近すぎて失念しがちですが、このレベルのウイスキーがスーパーマーケットで手軽に手に入れられるということは、酒好きにとっては本当に幸運なことだと思います。まだ飲んだことのない同ブランドのブラザーズブレンドなども、近いうちに味わってみたいものです。

 


雨が降りはじめる前にアスファルトから立ち上る湿ったあの匂い。あのソワソワとした感覚。ますます暖かくなるこれからの時期、きっと多くの人が感じるでしょう。そんな日は、帰宅後に雨音を聞きながら飲める、新しいお酒を探してみてはいかがでしょうか。


「雨が来る雨が来る雨が来る」
「虹が立つ」


お酒名:シーバスリーガル12年
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:2700円程(購入当時)
アルコール度数:40%
香り:☆☆☆☆☆(香ばしく甘い、食欲を誘う魅惑的な香り。)
味:☆☆☆☆☆(複雑かつバランスのとれた、ブレンデッドの王道と呼ぶにふさわしい美味しさです。)
おすすめ度:☆☆☆☆☆(ビギナーの方には入門用として、ウイスキー好きには日常の1本として。)


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サントリー ローヤル12年(終売品、スリムボトル)

多くの物事には、いつか終わりがやってくるものです。人気映画のシリーズや、平成というひとつの時代。また、ゴールデンウィークにも。そしてそれは、ウイスキーとて例外ではありません。


10連休が明け、普段の生活が戻ってきました。私の連休は始まりもしませんでしたけどね!久しぶりの仕事で、みなさまさぞお疲れでしょう。今宵はゆっくりとグラスを傾けて、1日の疲れを癒してください。


基本的に当ブログでは、掲載時点で販売が継続している、入手のしやすいボトルをご紹介することにしています。これからお酒を飲もうとする方々に興味を持っていただき、気軽に楽しんでもらいたいという思いからです。しかしたまにはウイスキーの歴史・変遷を伝えるような意味合いで、昔販売されていた商品を紹介するのもおもしろいかなと考えています。そんなわけで今日はいつもと趣向を変えて、終売になったボトルに目を向けてみます。


終売となる理由は様々で、ラインナップ整理や限定であったり、販売不振であったり。最近では原酒不足という理由が多いです。これからご紹介するボトルも、いつの間にか年数表記が消えて終売してしまったウイスキーサントリーのローヤル12年(スリムボトル)になります。懐かしさを感じるみんな(おじさん)集まれー!(笑)

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ローヤルと言えばジャパニーズウイスキーでもお馴染みのブレンデッドですよね。サントリーの初代マスターブレンダー鳥井信治郎氏が産み出した、ジャパニーズブレンデッドの傑作。こちらの写真はスリムボトルですが、通常版の独特の四角いボトルのキャップは神社の鳥居をモチーフにしたもので、オールドの上位種として世に送り出したサントリーの本気が伺えます。また、現在スーパーマーケットなどで見かけるNAのスリムボトルも、洗練されたデザインで素敵ですよね。


50年以上の歴史を持つローヤルは現在までに幾度もの変遷を繰り返しています。12年表記の商品として長らく店頭に並んでいましたが、2000年代後半には現行品のような熟成年数表記の無いNV商品となりました。


前置きが長くなってしまいました。では、ローヤル12年を飲んでいきたいと思います。ストレートで注いだグラスからは、エステリーなカラメル、干し葡萄などのドライフルーツやリンゴのような甘く爽やかな香りが漂ってきます。こういう落ち着いた香りは、やはり熟成酒ならでは。シェリーやポートワインを思わせる穏やかな香りも含まれます。口にすると、繊細な甘みとピート、それに酸味とスパイシー、ドライ感を得ることができ、オーク樽のウッディさとつビターな余韻が残ります。とても美味しい、上品な味わい。ゆっくりと楽しむつもりが、気が付くとグラスが空になっていたりします。


ストレートで十分美味しいのですが、一応氷を投入。軽やかに華やかに、干し葡萄とカラメル、スポンジケーキを思わせる甘い香りが広がります。味もライトになり甘さは感じるものの、珈琲のようなビターさと渋味、麦感が現れ出て飽きを感じさせない味わいとなります。ビギナーにこそむしろストレートを、飲みなれている方に長くゆっくりと飲んでいられるはロックをおすすめできます。


現在も販売が継続していたら、価格も当時に近いものであったなら…。間違いなく、入門用にも通にもおすすめのジャパニーズ・ブレンデッドウイスキーでした。終売が悔やまれます。何年か後、原酒のストックが回復したら、復活してくれることを願います。

 


あ、ちなみにわくわくお酒ライフに終わりは無いです。


お酒名:ローヤル12年
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:2200円程(購入当時)
アルコール度数:40%
香り:☆☆☆☆☆(熟成酒ならではの、穏やかな甘い香り。フルーティーさも。)
味:☆☆☆☆☆(複雑かつ優しい、甘みのある味わい。口にするたびに楽しい発見をさせてくれます。)
おすすめ度:☆☆☆(現行品であれば☆5。終売した現在はプレミアがついて、価格が高騰しているので、お勧め度は低くしています。)


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ホワイトホース12年

黄色いラベルに赤い文字で「ホワイトホース」と書かれたウイスキーは、スーパーマーケットでもよく見かけることができます。安価でしかも美味しい、日常生活の味方ですよね。私もウイスキーを覚えて間もない頃、安さの割に悪くないな、と感じたことをよく覚えています。今日ご紹介するのはそのホワイトホースの日本市場限定仕様、「ホワイトホース12年」です。こちらはベージュにブラウンの文字のパッケージになっています。

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いつものようにストレートから。
香りは干し葡萄と焦がしカラメルが甘く漂い、極僅かにナッツやヨードのような薬の臭いも感じます。口当たりも甘く、やわらかくスムースですが喉の奥に感じるドライさやスパイシーさがあり、グッとくる飲みごたえがあります。強烈ではありませんがピート、そしてウッディな樽感と大人しい渋味も感じられ、ウイスキーを飲みなれていない人でも楽しめそうな飲みやすさです。個人的にはバランタイン12年とジョーニーウォーカー12年ブラックレーベルの間に位置する味わいかと思います。日本市場限定販売というだけあり、飲みやすく飲みやすくブレンドされた印象です。


氷を入れると甘い香りはそのままにカラメル感が増強、そしてグレーンウイスキー由来と思われる香ばしさが少しだけ感じ取れます。加水されたウイスキーは甘さなど味が間延びしてしまいがちですが、このホワイトホース12年はその薄まりが少ないのかライトな甘みがしっかりとあり、飲んだ後にはバニラのように甘い香りとビターさの両方が鼻を抜けていくのがわかります。甘い口当たりですが甘すぎることは無く、ビターさとスパイシーさも相まって長い時間楽しめる仕上がりだと思います。


コストパフォーマンスに優れた一本で、バランタインやシーバスリーガル同様、気軽に飲める美味しいウイスキーとして常備しておくのがおすすめです。
ちなみに余談ですが日本で白い馬といえば、やっぱりオグリキャップですよね。厳密な白馬ではないかもしれないけれど、白い駿馬のあの雄姿。かっこよかったなあ・・!

お酒名:ホワイトホース12年
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:2000円程
アルコール度数:40%
香り:☆☆☆☆☆(ブレンデッドでもスタンダードな、甘く優しい香り。)
味:☆☆☆☆(クセやトゲのない万人向けの味わい。ハイボールも美味しいです。)
おすすめ度:☆☆☆☆(初心者の入門用としても、酒好きの日常の1本としても申し分ないと思います。)

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ホワイトウォーカー by ジョニーウォーカー

年号が令和となりましたが皆さま元気にお過ごしでしょうか。私はGWの連休も無く普通に働いております。代わりの休みもないのがつらいところ(笑)10連休の方はどこかにお出かけしているのでしょうか。良い天気に恵まれると良いですね!


さて、先月末の事ですが、ジョニーウォーカーより限定版の「ホワイトウォーカー」が発売されましたね。ゲームオブスローンズというアメリカのドラマとのコラボ商品。日本ではなかなか発売されず、今回ようやくAmazon限定で国内市場に流通したようです。

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これがホワイトウォーカーのパッケージ。すごくかっこよくないですか?黒のイメージが強いジョニーウォーカーにあって、白いパッケージと「ホワイトウォーカー」という名前がギャップをつくり、冒険心を刺激してきます。これを見ちゃったら買うっきゃないですよね。通常の瓶に白を基調としたしっかりとしたフィルムが巻かれていて、冷やすことによりパッケージ側面に「WINTER IS HERE」の文字が浮かび上がります。こういう遊び心満載なところも気に入ってしまう。思わずジャケ買いしてしまったのですが、美味いのか?早速飲んでいきたいと思います。


まずは冷やさず、常温のストレートで。香りはジョニ黒のような薬感はなし。スモーキーさの中にミントや胡椒、ナッツを感じます。少しアルコールの刺激が強いかな。飲んでみると、ピートの香り、甘みとスパイシーさ、わずかな渋みを感じます。ナッツやウッディさも感じられる、バランスが良い味わいです。ただ、刺激がやっぱり強い。アルコール度数も通常より少しだけ高いのですが、原酒も若い物を使っていそうな印象を受けました。


ロックにすると、香りはアルコール感が抑えられ、フルーティさとナッツ、チョコレートを感じます。氷の溶解が進むと黒糖のような香りも。味は甘さと共にビターさ、ナッツが前面に出て、わずかにキャラメル、飲み下すとピートと渋みの余韻が残ります。


そしてメーカー側推奨の冷凍庫で冷やしたストレート。香りにはアルコールの刺激が現れず、プラムのように甘い果実香を感じます。なるほどこれはたしかに冷凍推奨も頷けます。飲んでみると、ビタースイートなカラメルと、リンゴのような酸味。飲みこんだ時には渋みと、アルコールの刺激が鼻に抜けていきます。


うーむ…前情報でバニラやレッドベリー系の味わいが感じられると聞いたので熟成感のある落ち着いた甘みを期待していたのですが。ちょっと期待の方向を間違えたかもしれません。もちろん美味しいとは思いますが、ビギナーの方向けではないかな。開栓から日が経てば落ち着くのかも。


パッケージもカッコいいし限定版なので、話題の種にはなるでしょうね。ジョニーウォーカーファンの方にはおススメです。

 

暖かい日が続くというのに。連休の無い企業に勤める自分の心に、「WINTER IS HERE」です。悲しみ。

hummingbird99の個人的評価
お酒名:ジョニーウォーカー ホワイトウォーカー
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:3700円程
アルコール度数:41%以上42%未満
香り:☆☆☆☆(良く冷やすことで、プラムの甘い香りを感じます。)
味:☆☆☆☆(バランスはよいですが、アルコールの刺激が少し出過ぎかなと思います。)
おすすめ度:☆☆☆(ジョニーウォーカーファンにおすすめ、。)

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シェリー オズボーン ペドロヒメネス ベリースイート

※今日の記事には漫画「名探偵コナン」のネタバレ?が多少含まれます!ご注意を!


20年以上の連載期間を持つだけあって、漫画・アニメ版共に大人の方の中にも結構な数のファンがいらっしゃるのが「名探偵コナン」です。最近の内容はわからないけれど、たまに再放送で昔のエピソードを目にすると今でもおもしろく感じます。劇中には「黒の組織」と呼ばれる敵達が登場するのですが、その特徴はコードネームが「ジン」や「ウォッカ」といったお酒の名前となっていることでしょう。そしてその中には、「シェリー」というコードネームを持つ魅力的なキャラクター、灰原哀さんが登場するのですが、私の知っている範囲では彼女のみ主人公の味方となっています。いやー、林原めぐみさんの声って、何回聞いても素敵ですよね。


さて、そんな子供たちですら知っている「シェリー」という名のお酒ですが、どんなお酒なのかを知っている方って実は意外と少ないんですよね。今日はそのシェリー酒についてご紹介していきたいと思います。


シェリー酒はスペイン・アンダルシア地方で生産が盛んな酒精強化ワイン。酒精強化というのは、醸造の途中でアルコールを添加してアルコール度数を引き上げることです。甘口のシェリーやポートワインをつくる場合は収穫したブドウの水分を天日干しによって蒸発させて甘味を凝縮させたり、糖→アルコールの変換が行われている発酵途中でアルコールを添加することで発酵を停止させ、酒中の糖分を多く残留させます。


シェリー」という呼称についても厳格に定められていて、ブドウの品種・栽培地、熟成の条件・土地などを満たしていなくてはいけません。以前ブログでご紹介したソレラ・システム(継ぎ足し続ける秘伝のタレのようなもの、継ぎ足し熟成することで高い品質と味を一定に保つ)も使われています。同じシェリーでも、フィノ・マンサニーリャ・オロロソなど、製法や熟成場所などによってさまざまな名称タイプで呼ばれます。魅惑的な高い香りや甘みから、ウイスキーや、近年では日本酒の熟成にもシェリー酒の熟成に用いられた樽が人気になっています。

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今回飲んでいくのは雄牛のシルエットが印象的なオズボーン社の極甘口シェリー、「ペドロヒメネス・ベリースイート」です。グラスに注ぐと、独特のねっとりとした黒糖のような甘い香りが漂います。また、ハチミツや干し葡萄を思わせる香りも含まれています。ウイスキーも干し葡萄の香りがするものは多々ありますが、このシェリーはまさに絡みつくような濃厚な甘い香りです。


口当たりも濃厚でフルーティー、少しとろみがあります。甘さと共にコーヒーにも似たビターさ。それから、ほんのりとしたスパイシーさも感じます。余韻も濃密で、なんだかよく眠れそうな気がします…(笑)軽い風邪のときなんかは、甘いシェリーを電子レンジにかけてハチミツや柑橘を入れると、体がポカポカと温まるんですよね。香りも味もとても強いので、温かい今の時期や夏にはロックや炭酸水で割ってもおいしく楽しむことができますよ!

 

シェリーの話をしていたら、映画の茄子~アンダルシアの夏~が観たくなってきてしまったな…。

hummingbird99の個人的評価
お酒名:オズボーン ペドロヒメネス ベリースイート
分類:シェリ
価格:2000円程
アルコール度数:17%
香り:☆☆☆☆☆(黒糖に似た濃密な甘い香り。)
味:☆☆☆☆☆(とても熟した果実の甘味、コーヒーのビターさ。)
おすすめ度:☆☆☆☆☆(シェリカスク熟成ウイスキーが好きな方や、甘いお酒が好きな方に。)

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スウェディッシュウイスキー ダルヴィー(バッチ3)

北国と聞くと、何を思い浮かべますか?私は雪の舞い散る冬の景色、氷に覆われた厳しくも美しい真っ白な世界、そして温かく美味しい郷土料理を想像します。しんしんと雪の降り積もる寒い日、家の中で火を焚き暖を取り、温かい料理を家族で囲む。夜、日中は外で雪の中元気に遊んでいた子供たちは温かい布団に潜り寝息を立て、大人たちは暖炉や囲炉裏の傍で酒を片手に、静かにも楽しい時間を過ごす―――。そんな場面が脳裏に浮かびます。


日本でも、北海道や北陸そして東北などが北国、雪国にあたりますよね。雪の降らない土地に住む者からの羨望が入っていますが、雪国の生活は質素だけれども洗練されていて、そして温かい。なぜだかそんなイメージがあります。


そう、今日ご紹介するのはそんな北方の異国生まれのお酒。極北の国スウェーデンで生産される、BOX蒸留所(現ハイコースト蒸留所)のシングルモルトウイスキー「ダルヴィー」です。

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スウェーデンといえば、日本で有名なのは北欧家具のIKEAでしょうか。そして日の沈まない白夜や日の登らない極夜の国としても知られています。また、国土の7割弱が針葉樹に覆われているスウェーデンは、世界有数の木材輸出国でもあるんですよね。BOX蒸留所という名前は、その地で生産されている木箱からとられたそうです(ちなみに現在ではハイ・コースト蒸留所という名称に変わっています。)ダルヴィーのボトルキャップも外側は木製になっていて、蒸留所の木へのこだわりと尊敬の念が伝わってきます。


ヨーロッパでウイスキーというと、どうしてもスコッチやアイリッシュのイメージが強いんですが、近年では日本のみならず世界各国でウイスキー人気が高まっていることで、各地で新鋭の蒸留所の建設や再稼働、そしてウイスキーの製法を取り入れた他の酒類の製造が活発になっています。それは北欧の国スウェーデンでも同様で、ここ数年の間にいくつかの蒸留所が誕生しているんですね。BOX蒸留所もそんな流れの中で誕生したまだ若い蒸留所なのですが、質の高いウイスキーを生産することで既に世界中から高い注目を集めています。今回のダルヴィーは、そのBOX蒸留所のフラッグシップモデル。いよいよ飲んでいきます、北欧の美味しいウイスキー


まずは香りから。柑橘のような酸味を感じるほんのり甘い香りと、同時に強く爽やか、スモーキーなピートの香りが漂います。口にするとスムースな口当たりで、ウッディ。すっきりと控えめの甘味、スパイシーさ、酸味の後、それらを包み込むようにピート感を感じます。ファーストフィル故か、フレッシュさやリーフィーな印象もあるのですが、長期熟成ではないにも関わらずアルコールの嫌な刺激はありません。とても高いバランスで良くまとまっています。個人的には余市の重厚なピートに比べ、鮮烈でライトであると思います。


ロックにすると、少しですが塩気が出てきます。そして酸味と優しい渋味、心地よいピート感、ウッディな木々の印象。飲みながら感じる香りも非常に爽やかなピート。北国の「温かさ」と、厳しい自然の中、慎ましく森と共に生きる人々の暮らしが思い起こされます。大変に美味しいです。


ダルヴィーは、個人的に最も好きなウイスキーのひとつです。正直、競争率が高くなってしまうことを恐れご紹介するか一瞬悩みました…(笑)ですが、本当に美味しいウイスキーをたくさんの方に知っていただきたい、楽しんでいただきたいという思いがあり掲載いたしました。いや、本当においしいんですよこのお酒。スモーキーさが苦手じゃなければすごくお薦めです。北欧という新しいウイスキー産地に興味がある方々にも、ぜひ試していただきたいと思います。

 


余談ですが、この歳になっても漫画というのはおもしろいもので、ついつい買ってしまうことが多々あります。今日もお気に入りの週刊マンガの最新話を読んだのですが、それがもう内容が切なくて切なくて。アカザさん、雪の紋様はそういう意味があったか…。


雪に関するお酒と漫画でしたので、ちょっとだけ呟かせていただきました。


ummingbird99の個人的評価
お酒名:BOX蒸留所 ダルヴィー
分類:シングルモルト
価格:7000~8000円程
アルコール度数:46%
香り:☆☆☆☆☆(柑橘、ピートを感じる爽やかで温かみのある香り。)
味:☆☆☆☆☆(心地よいピート感とウッディネス。)
おすすめ度:☆☆☆☆☆☆☆(もしチャンスがあるのなら、試してみて損はないと自信を持って言えます。)

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