SAKE&WHISKY'S GARDEN

昔々、とある会社でお酒をつくっていたハミングバード99の酒飲みレポート。基本的にお酒は、おすすめできる美味しいもののみご紹介しています。

サントリー ローヤル12年(終売品、スリムボトル)

多くの物事には、いつか終わりがやってくるものです。人気映画のシリーズや、平成というひとつの時代。また、ゴールデンウィークにも。そしてそれは、ウイスキーとて例外ではありません。


10連休が明け、普段の生活が戻ってきました。私の連休は始まりもしませんでしたけどね!久しぶりの仕事で、みなさまさぞお疲れでしょう。今宵はゆっくりとグラスを傾けて、1日の疲れを癒してください。


基本的に当ブログでは、掲載時点で販売が継続している、入手のしやすいボトルをご紹介することにしています。これからお酒を飲もうとする方々に興味を持っていただき、気軽に楽しんでもらいたいという思いからです。しかしたまにはウイスキーの歴史・変遷を伝えるような意味合いで、昔販売されていた商品を紹介するのもおもしろいかなと考えています。そんなわけで今日はいつもと趣向を変えて、終売になったボトルに目を向けてみます。


終売となる理由は様々で、ラインナップ整理や限定であったり、販売不振であったり。最近では原酒不足という理由が多いです。これからご紹介するボトルも、いつの間にか年数表記が消えて終売してしまったウイスキーサントリーのローヤル12年(スリムボトル)になります。懐かしさを感じるみんな(おじさん)集まれー!(笑)

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ローヤルと言えばジャパニーズウイスキーでもお馴染みのブレンデッドですよね。サントリーの初代マスターブレンダー鳥井信治郎氏が産み出した、ジャパニーズブレンデッドの傑作。こちらの写真はスリムボトルですが、通常版の独特の四角いボトルのキャップは神社の鳥居をモチーフにしたもので、オールドの上位種として世に送り出したサントリーの本気が伺えます。また、現在スーパーマーケットなどで見かけるNAのスリムボトルも、洗練されたデザインで素敵ですよね。


50年以上の歴史を持つローヤルは現在までに幾度もの変遷を繰り返しています。12年表記の商品として長らく店頭に並んでいましたが、2000年代後半には現行品のような熟成年数表記の無いNV商品となりました。


前置きが長くなってしまいました。では、ローヤル12年を飲んでいきたいと思います。ストレートで注いだグラスからは、エステリーなカラメル、干し葡萄などのドライフルーツやリンゴのような甘く爽やかな香りが漂ってきます。こういう落ち着いた香りは、やはり熟成酒ならでは。シェリーやポートワインを思わせる穏やかな香りも含まれます。口にすると、繊細な甘みとピート、それに酸味とスパイシー、ドライ感を得ることができ、オーク樽のウッディさとつビターな余韻が残ります。とても美味しい、上品な味わい。ゆっくりと楽しむつもりが、気が付くとグラスが空になっていたりします。


ストレートで十分美味しいのですが、一応氷を投入。軽やかに華やかに、干し葡萄とカラメル、スポンジケーキを思わせる甘い香りが広がります。味もライトになり甘さは感じるものの、珈琲のようなビターさと渋味、麦感が現れ出て飽きを感じさせない味わいとなります。ビギナーにこそむしろストレートを、飲みなれている方に長くゆっくりと飲んでいられるはロックをおすすめできます。


現在も販売が継続していたら、価格も当時に近いものであったなら…。間違いなく、入門用にも通にもおすすめのジャパニーズ・ブレンデッドウイスキーでした。終売が悔やまれます。何年か後、原酒のストックが回復したら、復活してくれることを願います。

 


あ、ちなみにわくわくお酒ライフに終わりは無いです。


お酒名:ローヤル12年
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:2200円程(購入当時)
アルコール度数:40%
香り:☆☆☆☆☆(熟成酒ならではの、穏やかな甘い香り。フルーティーさも。)
味:☆☆☆☆☆(複雑かつ優しい、甘みのある味わい。口にするたびに楽しい発見をさせてくれます。)
おすすめ度:☆☆☆(現行品であれば☆5。終売した現在はプレミアがついて、価格が高騰しているので、お勧め度は低くしています。)


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