SAKE&WHISKY'S GARDEN

昔々、とある会社でお酒をつくっていたハミングバード99の酒飲みレポート。基本的にお酒は、おすすめできる美味しいもののみご紹介しています。

オールドパー12年

英語圏のオールド(OLD)という表現は単に「古い」「老いた」ではなくて、「歳を重ねた」「歴史を重ねた」、そしてたまにfine oldなどの表現で、「すばらしい」といった意味も持ちます。「オールドタイプ」という単語が浮かんだそこの方、思考が地球の重力に縛られていますよ。


今になって思うのですが、歳を重ねるというのは奥が深いですよね。単に「歳をとる」のとは違う。知識、経験を重ねて成長していくこと。努力を積み上げて自分を高みへと導いていくこと。「歳を重ねるということは、己の人生に責任を重ねていくことだ」と仰った方もいるように、漫然と時を過ごすのではなく、ひと時を楽しく、大切に生きていきたいなと思います。そういう意味では、美味しいお酒を楽しむということは「時を大切に過ごす」方法のひとつになりえますよね。


そう、今日ご紹介するのは「オールド」の名を持つ、最も素晴らしいウイスキーのひとつ。オールドパー12年です。ちなみにミニボトル。採算が良くないようで、最近はミニボトルを生産する蒸留所さんが減ってしまって寂しいです。

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オールドパーと言えば、日本でも最も有名なスコッチウイスキーの一角ですよね。宮廷への献上品として贈られたほか、かつての日本の偉人たちも愛した銘柄です。高級ブレンデッドウイスキーとして、今も根強いファンの方がたくさんいらっしゃいます。150歳超のウルトラおじいちゃん、トーマス・パーさんの伝説になぞらえて名前がつけられたという話をよく耳にしますけど、本当にいたんでしょうかね?


ではまず、ストレートから飲んでいきます。香りは炒ったアーモンドの甘香ばしさ、カラメルをよく感じます。また、意外とアルコール感もあるように思いますが、これはグラスに注ぎ過ぎたせいかもしれません…(汗)口当たりはやさしく、ナッツのような甘みと柑橘のような酸味が心地よいです。穏やかで香ばしいピートの広がりが高い満足感をもたらしてくれます。


それから、氷を入れてロックに。メープルシロップのように濃密な甘い香りが開き、また、ハーブのような清涼さと強く焦がしたカラメルのようなビタースイートな香りも感じられるようになります。味わいはしっかりした甘みが感じられますがしつこさは無く、ナッツ・ピートのふくらみが霧散した後に大人し目のビターさと甘さが余韻として残ります。飲みやすいながらも、「これぞスコッチ!」というスモーキーさを纏った、どことなく古き良き風情と高貴さを感じさせる、”オールド(歴史を重ねた)”の名に恥じない仕上がりになっています。オールドパーが日本へ紹介された文明開化の浪漫の時代に、思いを馳せて飲むのもまた一興かもしれません。

 

 

お酒名:オールドパー12年
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:3600円程
アルコール度数:40%
香り:☆☆☆☆(香ばしいアーモンドのオイリーな甘さを思わせます。)
味:☆☆☆☆(ナッツの甘味、柑橘の酸味を感じます。スモーキーでありつつも飲みやすい味わいです。)
おすすめ度:☆☆☆☆(穏やかなピートの広がりを感じる、味わい深い昔ながらのスコッチ。)

 

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