SAKE&WHISKY'S GARDEN

昔々、とある会社でお酒をつくっていたハミングバード99の酒飲みレポート。基本的にお酒は、おすすめできる美味しいもののみご紹介しています。

フィンニッシュウイスキー ヴァーソ

先日、東京で開催されているムーミン展に行って参りました。2019年は日本とフィンランドの外交関係が結ばれてから100周年にあたり、それを記念したイベントだそうです。ムーミンの作者トーベ・ヤンソンさんとムーミンに関するエピソードや、多数の原画が展示されていてとても楽しい時間を過ごしました。やはりスナフキンはイケメンですし、リトルミイはやんちゃで可愛いと思います!


また、フィンランドムーミン以外にも、サンタクロースの居住する国としても有名。世界中の子供たちが毎年クリスマスを楽しみにしていますよね。


イギリスの東北に位置するフィンランドはイメージ通り寒冷な地域です。極寒の土地の例にもれずウォッカやジンなどの蒸留酒がポピュラーですが、近年の流行によって新しいウイスキー蒸留所がいくつか生まれました。これからご紹介するのも、そんな若い蒸留所のひとつ、キュロの贈り出すライモルトウイスキー。ライウイスキー・ヴァーソです。

f:id:hummingbird99:20190519235234j:plain

f:id:hummingbird99:20190519235303j:plain


2014年から蒸留を開始したキュロ蒸留所は5人の若者によって計画が立ち上げられ、現在ではライウイスキーの他、ジンを生産しています。ジンは蒸留所の近隣で収穫されるシーバックソーンや白樺、ベリーなどのボタニカルを使用しており、高い人気を誇っています。


ヴァーソ(VERSO、「芽」の意)と名づけられたウイスキーも原料にはフィンランド産のライ麦を100%使用していて、本当の意味での”その土地の味”に期待が膨らみます。
では、早速飲んでいきましょう。


まずはストレートで。ボトルを開けてから約1か月弱、当初あったアルコールの刺激は鳴りを潜め、柔らかく、甘く、そして香ばしいライ麦の香りが感じられます。
熟成期間が短いながらもエステリーさを伴うしっかりとしたウッディ感、ラムレーズンを思わせる甘い香り、ピスタチオを思い起こす香ばしくオイリーな香りも伴います。


味はウッディさを含む甘さと控えめな渋味、やわらかな酸味、そして香ばしい含み香も鼻腔に抜けます。樽から徐々に移した、というだけでなく、木材を追加投入してフレーバリングしたドリンクのような強い木のニュアンスが感じ取れます。これは、32リットルという小さな樽で熟成させた影響によるものかもしれません。ライモルトの個性を、存分に楽しむことができます。


ロックにすると、ライ麦の香ばしさに加え、焦がしキャラメルのような甘い香りが漂ってきます。味は甘さが強まりますが口当たりはライト。元のアルコール度数が高いためか薄まる、という印象も無く、ビターさと渋味、木感、スモーキーさも楽しめる飲みやすい味わいとなります。グレーンウイスキーが苦手な方やウイスキー初心者の方もロックでなら親しみやすいと思われます。


子供の頃、クリスマスにわくわくしたあの気持ちを思い出しながら、普段と違った”ライモルトウイスキー”の味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。

f:id:hummingbird99:20190520004602j:plain

お酒名:キュロ ヴァーソ ライウイスキー
分類:シングル”ライモルトウイスキー
価格:5000円程(500ml)
アルコール度数:46.5%
香り:☆☆☆☆(フィンランドライ麦由来の、甘く香ばしい香り。)
味:☆☆☆☆(小さな樽で熟成された原酒ならではのスモーク感、ウッディネスを強く感じます。)
おすすめ度:☆☆☆☆(ライモルトウイスキーの魅力が詰まった、ファンには堪らないボトルだと思います。)

 

↓クリックしていただくと励みになります↓
https://blog.with2.net/link/?1999321(人気ブログランキング投票)