SAKE&WHISKY'S GARDEN

昔々、とある会社でお酒をつくっていたハミングバード99の酒飲みレポート。基本的にお酒は、おすすめできる美味しいもののみご紹介しています。

ワイルドターキー8年

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ワイルドターキーはアメリカのウイスキー群である「バーボンウイスキー」の銘柄のひとつ。その名前は、蒸留所を所有するオースティン・ニコルズ社の社長が七面鳥(ターキー)ハンティング仲間に提供したウイスキーが好評で、そのときの仲間の一人が名付けたことに由来します。


バーボンウイスキーは原材料のうちの51%以上をコーンにしなければなりませんが、ワイルドターキーは「出来るだけコーンの比率を抑え大麦、ライ麦を多く使用することで、ウイスキーに豊かな風味を持たせる」というこだわりをもって造られています。また今回のワイルドターキー8年はアルコール度数50%と加水を可能な限り抑えているので、原酒に近い豊かな味わいを持つと紹介されています。コンセプトといい、日本のフロムザバレルとよく似ていますね。どんな味わいなのか、早速飲んでいきましょう。

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ちなみにポケット瓶。スキットルに似た形状で、カッコよさと可愛さを兼ね備えています。

 

ストレート/
香り:焦がしキャラメルや渋めのバナナ、ナッツや甘い干し葡萄、バニラを思わせるウッディネスに加え、バーボンの特徴でもあるセメダインのような香りがわずかに漂います。
味:意外にも強い甘みと、サクランボのような酸味で口当たりはライトでありまろやか。渋みを伴うウッディな香味の後、喉には強いアルコールのドライ感が残ります。さすがは50度。飲みやすいのですが、気軽に楽しむには強いアルコールそのものへの慣れが必要かと思います。

 

ロック/
香り:ライムのような苦めの果実を彷彿とさせる香りと、カラメルのように甘い香りを感じられます。
味:強いアルコールの刺激は抑えられ、ぐんと飲みやすさが増しました。甘さはさほどなく、やはりほんのりと渋い木の香味を感じます。また炭のようなニュアンスもあり、氷の溶解に伴ってビターさとスパイシーさも存在感を増していきました。ストレートも美味しいのですが、私個人としては少量の氷を入れたロックか、ちょっぴり加水した水割りがおすすめです。


ジャックダニエル、メーカーズマーク、ジムビーム、フォアローゼス。私はアメリカンウイスキーはあまり進んで飲む分野ではないのですが、今回のワイルドターキーを含めその強烈な個性から熱狂的なファンの方が多いです。特にドライな味わいや余韻を求める方は、まさに野性的な荒々しい味わいの、このワイルドターキーを試していただきたいと思います。


hummingbird99の個人的評価
お酒名:ワイルドターキー8年
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:3500円程(700ml)
アルコール度数:50.5%
香り:☆☆☆☆(甘い果実香に、バーボンの特徴も伴います。)
味:☆☆☆☆(口当たりは軽め、甘味が強いです。しかしアルコール度数が高く、非常に飲みごたえがあります。)
おすすめ度:☆☆☆(強く、ドライな余韻を求める方に。個人的には万人受けではないため、アグレッシブにウイスキーを楽しみたい方におすすめです。)

 

 

余談ですがアメリカではクリスマス料理に欠かせない七面鳥、陸上生活に適応した結果強靭な脚力を有していて、1mを超す巨躯にも関わらず100mを11秒で駆け抜けることができるそうです。日本で言ったらキジとか鶏みたいなものかな、と思ったら猪ポジでした。怖すぎる。こんな鳥どうやって捕まえるんだ…。


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ウイスキー用語

ウイスキー初心者の方を中心により多くの人々に楽しくお酒を選び、嗜んでもらえるよう、随時用語の解説を追加していきたいと思います。

 

<ピート、ピーティー>
ウイスキーをつくる原料である麦芽。大麦を水に浸漬させて発芽させるものですが、これを乾燥させるにあたり、伝統的なウイスキーづくりに置いてはとある燃料を用います。それが「ピート」。湿地帯にある植物が堆積してできる石炭のなりかけのような泥状の炭です。これは乾かすことで燃料として利用することができ、このピートを焚いた時の煙香が麦芽へと移り、やがてウイスキーへと移りゆくことで「ピート臭」になります。


<ウッディ、ウッディネス>
樽で酒を貯蔵する中で、木材から溶液へと溶け出した香味。樽に使用された木材の種類により、特徴的な香り、風味が生まれます。加工しやすいオーク(楢<ナラ>の木)が使われることが多く、ホワイトオーク(北米)、ヨーロピアンオークや、日本ではミズナラが樽の原料に用いられます。ちなみにサケ、日本酒だとシダー(杉<スギ>の木)が盛んに木樽に用いられています。余談ですが、北欧では木の香りのフレーバードアイスクリームもあるようです。


<カスク / バレル>
酒を貯蔵する樽のこと。容量が違ったりしますが、詳細は割愛。


<バーボンカスク>
バーボンウイスキーの熟成に用いられた樽。バニラのような香り、ライトな甘味を付与します。


<シェリカスク>
スペインの酒精強化ワイン、シェリーの熟成に用いられていた樽。コクのある甘く、華やかな香味を付与します。


<ポートワインカスク>
ポルトガルの酒精強化ワイン、ポートワインの熟成に用いられていた樽。コクのある甘く、華やかな香味を付与します。

 

追加予定

ミズナラ

<オーク>

シェリー>

<ポートワイン>

モルト

<グレーン>

<スモーキー>

<リーフィー>

エステリー>

<サルファリー / 硫黄感>

ソルティ>

<スコッチウイスキー

アイリッシュウイスキー

アメリウイスキー

(バーボンウイスキー

テネシーウイスキー

<カナディアンウイスキー

<ジャパニーズウイスキー

<北欧ウイスキー

<アフリカンウイスキー

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イラスト提供:あしたば優 様

 

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バランタイン ファイネスト

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1807年、スコットランドのとある村で農家に生まれたジョージ・バランタイン氏。友人に強い影響を受けて彼が開発したブレンデッドウイスキーは、現在スコッチの名門「バランタイン」として広く知られています。本日はそのウイスキーの名門から、エントリーグレードであるバランタイン ファイネストをご紹介します。

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香り/
樽由来のウッディかつ、木炭を思わせるスモーキーさと、。ナッツや焦がしカラメルのような甘い香り。
味/
ほんのりとした甘みの後、すぐにスモーク感が鼻の奥に届きます。そして、スモークとスパイスの混じるドライな余韻。ちなみに少し長めに口に含むことで、苦味と渋味も感じられました。熟成感のある落ち着いた味わいではありませんが飲みやすく、十分にスコッチの特徴を堪能できます。「毎日のお酒」「気軽に飲めるウイスキー」として。


ロック
香り/
スモーキーさが和らぎ、カラメルソースやカスタードクリームのような甘い香りが目立ってきます。
味/
甘さは抑えられ、ビタースモークな香りが口内に膨らみます。ピートというより純粋なスモーク。苦味も口に残るしつこさではなく、すっきりとしたものです。シンプルに”スモーキー&スパイシー”な味わいです。


上質なお酒とはいかないものの1000円という価格からすると十分に楽しめるクオリティ、高いコストパフォーマンスで、総じて普段飲みのウイスキーに向いていると思います。


こちらのバランタインファイネストはいろんなサイトでウイスキーの入門用におすすめされていますが、ひとつ上のグレードである12年ものが2000円ちょっとの価格で段違いのクオリティの高さを持つため、私個人としてはそちらをビギナーの方におすすめします。


お酒名:バランタイン ファイネスト
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:1000円程(700ml)
アルコール度数:40%
香り:☆☆☆(控えめな甘さを伴うウッディな香り。アルコールの刺激は強めです。)
味:☆☆☆(スモーキーさを纏う、スタンダードなスコッチ。)
おすすめ度:☆☆☆☆(手ごろな価格で、普段飲みのウイスキーやカクテルベースにも。)

 

最近、仕事のストレスなのか疲れなのか、ベッドまで辿り着けずに床で寝てしまうことが多いんですよね。気付くと朝の3時とか4時とか。「寒ゥい!体痛ァい!」って目が覚めます…(笑) みなさまはしっかり疲れがとれるよう、温かい布団でゆっくりお休みください。


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スーパーニッカ

スーパーニッカは、ニッカウヰスキーの祖たる竹鶴政孝氏が、亡き妻リタ氏に捧げた最上の、そして情熱のブレンデッド。時代とともにブレンドを少しずつ変えながら、現代まで続くニッカウヰスキーの代表的な銘柄です。最も身近なジャパニーズウイスキーのひとつですが、意外と飲んだことが無い人も多いと聞きます。この記事がそういった方々の参考になれば幸いです。

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ストレート/
香り:カラメル、干し葡萄を思わせる甘い香り、プラムのような果実香と、黒糖のような香りが少し。また、ピートのスモーク感と心地よいウッディネス、ビターさと甘酸っぱさの両方を伴う香りも受け取られました。NA(ノンエイジ。熟成年数が表記されていないタイプ。熟成原酒に加え、若い原酒を使用していることが多いです。)ながら、普及価格帯スコッチの12年物にも似た熟成感を感じます。
味:口当たりは驚くほどライト。甘味とウッディな樽感、さほど強くは無いピートと、どこかリンゴのような酸味。若々しいアルコールの刺激や辛味はあるものの、嫌味なクセが無くとても飲みやすいです。うん…美味しい。


ロック/
香り:カラメルやダークチョコレートのような甘苦い香り、スモーキーさが漂います。
味:甘味と酸味に加えて、樽由来のウッディさ、ビターさ、渋味がアクセントとなり、一気に飲んでしまいそうだったストレートよりもゆっくりと楽しめそうな味わいに。余韻はやさしいスモーキーで、ほっと一息をつかせてくれます。


NAながら総じてやさしい味わいで、2000円前後のウイスキーとしては申し分ないものだと思います。初心者の方の入門用、ステップアップとしてはもちろん、玄人の方の「普段の酒」「箸休め」としても十分おすすめです。


お酒名:スーパーニッカ
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:2500円程(700ml)
アルコール度数:43%(!)
香り:☆☆☆☆☆(長期熟成のブレンデッドスコッチにも引けを取らない、甘く心地よい香り。ちなみに価格も引けをとらない。)
味:☆☆☆☆(ストレート、ロックともにクセのない穏やかな味わい。普段飲みに最適です。)
おすすめ度:☆☆☆☆☆(スーパーマーケットでよく見かけることや名前から、安っぽいイメージもあるかもしれません。しかしその背景にはニッカウヰスキーの父母の愛と情熱が込められています。スーパーニッカは、良いウイスキーです。)


雨の日は嫌いではありません。特に休日ならば。そりゃ、お天道様がずっと隠れっぱなしで日光に当たれない日が続く、というのは決して良いことではないんですけど、たまには雨音を聞きながらゆっくりと家で本を読んだり、お酒を飲んだりするのもいいかな、と思えます。出勤日だと憂鬱ですね。会社に着く前に濡れると、朝からげんなりしてしまいます。…そろそろ、梅雨入りの準備をしないといけませんね。


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フィンニッシュウイスキー ヴァーソ

先日、東京で開催されているムーミン展に行って参りました。2019年は日本とフィンランドの外交関係が結ばれてから100周年にあたり、それを記念したイベントだそうです。ムーミンの作者トーベ・ヤンソンさんとムーミンに関するエピソードや、多数の原画が展示されていてとても楽しい時間を過ごしました。やはりスナフキンはイケメンですし、リトルミイはやんちゃで可愛いと思います!


また、フィンランドムーミン以外にも、サンタクロースの居住する国としても有名。世界中の子供たちが毎年クリスマスを楽しみにしていますよね。


イギリスの東北に位置するフィンランドはイメージ通り寒冷な地域です。極寒の土地の例にもれずウォッカやジンなどの蒸留酒がポピュラーですが、近年の流行によって新しいウイスキー蒸留所がいくつか生まれました。これからご紹介するのも、そんな若い蒸留所のひとつ、キュロの贈り出すライモルトウイスキー。ライウイスキー・ヴァーソです。

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2014年から蒸留を開始したキュロ蒸留所は5人の若者によって計画が立ち上げられ、現在ではライウイスキーの他、ジンを生産しています。ジンは蒸留所の近隣で収穫されるシーバックソーンや白樺、ベリーなどのボタニカルを使用しており、高い人気を誇っています。


ヴァーソ(VERSO、「芽」の意)と名づけられたウイスキーも原料にはフィンランド産のライ麦を100%使用していて、本当の意味での”その土地の味”に期待が膨らみます。
では、早速飲んでいきましょう。


まずはストレートで。ボトルを開けてから約1か月弱、当初あったアルコールの刺激は鳴りを潜め、柔らかく、甘く、そして香ばしいライ麦の香りが感じられます。
熟成期間が短いながらもエステリーさを伴うしっかりとしたウッディ感、ラムレーズンを思わせる甘い香り、ピスタチオを思い起こす香ばしくオイリーな香りも伴います。


味はウッディさを含む甘さと控えめな渋味、やわらかな酸味、そして香ばしい含み香も鼻腔に抜けます。樽から徐々に移した、というだけでなく、木材を追加投入してフレーバリングしたドリンクのような強い木のニュアンスが感じ取れます。これは、32リットルという小さな樽で熟成させた影響によるものかもしれません。ライモルトの個性を、存分に楽しむことができます。


ロックにすると、ライ麦の香ばしさに加え、焦がしキャラメルのような甘い香りが漂ってきます。味は甘さが強まりますが口当たりはライト。元のアルコール度数が高いためか薄まる、という印象も無く、ビターさと渋味、木感、スモーキーさも楽しめる飲みやすい味わいとなります。グレーンウイスキーが苦手な方やウイスキー初心者の方もロックでなら親しみやすいと思われます。


子供の頃、クリスマスにわくわくしたあの気持ちを思い出しながら、普段と違った”ライモルトウイスキー”の味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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お酒名:キュロ ヴァーソ ライウイスキー
分類:シングル”ライモルトウイスキー
価格:5000円程(500ml)
アルコール度数:46.5%
香り:☆☆☆☆(フィンランドライ麦由来の、甘く香ばしい香り。)
味:☆☆☆☆(小さな樽で熟成された原酒ならではのスモーク感、ウッディネスを強く感じます。)
おすすめ度:☆☆☆☆(ライモルトウイスキーの魅力が詰まった、ファンには堪らないボトルだと思います。)

 

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ハイランドパーク12年

海に憧れを持つ人というのは、意外に多いものです。雄大な自然の姿に魅せられたか、海の向こう、はるか彼方に広がる世界への渇望にも似た感情。幕末の日本に生まれた坂本竜馬も、海へと繰り出し、世界中を冒険するという夢を持っていたと言います。


かつてヨーロッパ西方の地に存在したヴァイキングも、海に生きる人々でした。「海賊」というイメージの強い彼らですが、実は農業や交易を積極的に行っていて、侵略行為はさほど生活に置いて重きをなしていなかったのではないかとも言われています。遠く離れた異国の地、異国の海で生きた人々に、現代に生きる私も想いを馳せることがあります。


勘の良いウイスキーファンはおわかりでしょうか。今日ご紹介するお酒は、スコッチの中でも最北エリア(最北端ではないんですね、)に位置する蒸留所の贈る、伝統あるウイスキー。ハイランドパーク12年 ヴァイキングオナーです。ハイランドパークはニッカウヰスキーの祖、竹鶴政孝氏が「理想のウイスキー」として捉えていたことでも有名なんですよ。

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ハイランドパークの蒸留所はイギリスのグレートブリテン島の北方に位置する、オークニー諸島にあります。そこはスコットランドに並び、北欧の国ノルウェーにもほど近い場所になっており、かつてのヴァイキングの活動域真っ只中にありました。ハイランドパークの起源となるウイスキーづくりをこの地で始めたのは、ある密造者だったと言われています。闇に沈むその始まりは、同じ蒸留所の銘柄「ダーク・オリジンズ」にも垣間見ることができます。


ヴァイキング」「ダーク・オリジンズ」、限定版の「ヴァルキリー」という名前だとか、キリスト文化とヴァイキング文化の混じり合ったウルネス紋様のボトルだとか。北欧文化や神話に基づいたハイランドパークのコンセプトは、どうにも子供の頃の冒険心を呼び起こして止みません。はい、厨二病のまま大人になったhummingbird99です(笑)


では、実際にストレートから味わっていきます。よく熟成された原酒を使っているのでしょうか、香りにアルコールの刺激はほとんどありません。麦の香ばしさとコクのある黒糖のような甘さと渋さを予感させる穏やかな香りが立ち、ウッディ、そしてスモーキーな香りをよく感じ取ることができます。よく熟したリンゴ、ビターチョコレートを思わせる香りもあります。どことなく、グレンフィディック15年のソレラリザーブにも似ているかもしれません、

 

味はシェリー樽由来であることを思わせる甘さと、ウッディかつスモーキーで、スパイシー。ピート感が強い無骨さと、温かく繊細さを感じる味わい。また、ブラッドオレンジやブランデーを連想する香味あり。ピート感は単に強いスモーキーさではなく、全体をまとめあげるバランサーを担っているようにも思えます。同じ極北のウイスキースウェーデンのダルヴィーを思い起こさせる心地よいピートを感じる味わいです。


次に、氷を入れてロックに。華やかさとか派手さが現れると思いきや、やわらかさやお淑やかさが増した印象。口当たりもきめ細やかでやさしく、まろやかな甘味とライトになったピート、スパイスを感じられるほか、渋さとビターさも顔を覗かせます。リンゴやオレンジのような甘酸っぱさも、余韻として静かに残ります。また、チーズと一緒に味わってみると、ミルクチョコレートのような風味をよく感じられました。


同じく「島(国)」に生きる民として、伝統ある北国のウイスキーを味わってみるのはいかがでしょうか。


お酒名:ハイランドパーク12年
分類:シングルモルトウイスキー
価格:4000円程
アルコール度数:40%
香り:☆☆☆☆(ウッド感の強い、やさしくスモーキーな香り。)
味:☆☆☆☆☆(ピート感が強いながら飲みやすい。初心者の方の2本目、3本目におすすめです。)
おすすめ度:☆☆☆☆☆(スコットランドと北欧の文化が融合した地の、穏やかで奥深い味わいのウイスキー。)

 

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オールドパー12年

英語圏のオールド(OLD)という表現は単に「古い」「老いた」ではなくて、「歳を重ねた」「歴史を重ねた」、そしてたまにfine oldなどの表現で、「すばらしい」といった意味も持ちます。「オールドタイプ」という単語が浮かんだそこの方、思考が地球の重力に縛られていますよ。


今になって思うのですが、歳を重ねるというのは奥が深いですよね。単に「歳をとる」のとは違う。知識、経験を重ねて成長していくこと。努力を積み上げて自分を高みへと導いていくこと。「歳を重ねるということは、己の人生に責任を重ねていくことだ」と仰った方もいるように、漫然と時を過ごすのではなく、ひと時を楽しく、大切に生きていきたいなと思います。そういう意味では、美味しいお酒を楽しむということは「時を大切に過ごす」方法のひとつになりえますよね。


そう、今日ご紹介するのは「オールド」の名を持つ、最も素晴らしいウイスキーのひとつ。オールドパー12年です。ちなみにミニボトル。採算が良くないようで、最近はミニボトルを生産する蒸留所さんが減ってしまって寂しいです。

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オールドパーと言えば、日本でも最も有名なスコッチウイスキーの一角ですよね。宮廷への献上品として贈られたほか、かつての日本の偉人たちも愛した銘柄です。高級ブレンデッドウイスキーとして、今も根強いファンの方がたくさんいらっしゃいます。150歳超のウルトラおじいちゃん、トーマス・パーさんの伝説になぞらえて名前がつけられたという話をよく耳にしますけど、本当にいたんでしょうかね?


ではまず、ストレートから飲んでいきます。香りは炒ったアーモンドの甘香ばしさ、カラメルをよく感じます。また、意外とアルコール感もあるように思いますが、これはグラスに注ぎ過ぎたせいかもしれません…(汗)口当たりはやさしく、ナッツのような甘みと柑橘のような酸味が心地よいです。穏やかで香ばしいピートの広がりが高い満足感をもたらしてくれます。


それから、氷を入れてロックに。メープルシロップのように濃密な甘い香りが開き、また、ハーブのような清涼さと強く焦がしたカラメルのようなビタースイートな香りも感じられるようになります。味わいはしっかりした甘みが感じられますがしつこさは無く、ナッツ・ピートのふくらみが霧散した後に大人し目のビターさと甘さが余韻として残ります。飲みやすいながらも、「これぞスコッチ!」というスモーキーさを纏った、どことなく古き良き風情と高貴さを感じさせる、”オールド(歴史を重ねた)”の名に恥じない仕上がりになっています。オールドパーが日本へ紹介された文明開化の浪漫の時代に、思いを馳せて飲むのもまた一興かもしれません。

 

 

お酒名:オールドパー12年
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:3600円程
アルコール度数:40%
香り:☆☆☆☆(香ばしいアーモンドのオイリーな甘さを思わせます。)
味:☆☆☆☆(ナッツの甘味、柑橘の酸味を感じます。スモーキーでありつつも飲みやすい味わいです。)
おすすめ度:☆☆☆☆(穏やかなピートの広がりを感じる、味わい深い昔ながらのスコッチ。)

 

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