SAKE&WHISKY'S GARDEN

昔々、とある会社でお酒をつくっていたハミングバード99の酒飲みレポート。基本的にお酒は、おすすめできる美味しいもののみご紹介しています。

悪魔の囁き? ボウモア10年 インスパイア―ド デビルズカスク

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私、よく悪魔と天使の声が聞こえます。いやいや、そんなにブラウザバックを急がずに、まあもう少し読んでいってくださいよ。特に酒屋さんにいるときに聞こえることが多いんですが、以下はその一場面になります。


私(この銘柄はじめて見るなあ。どんな味なんだろう?)
私(あ、これも気になってるやつだ。こっちは限定版!?)
私(うーん、トニックウォーターを買って帰るだけのつもりだったのに。どうしよう…)
ボソボソ…
私(…っ!?)
私(また…声がッ…!)

 

悪魔(欲しいんだろう?買っちゃえよ…)
私「そんなっ…だって、まだ給料日には遠いし…」
悪魔(でもほら、今日も仕事がんばっただろう?一日の休息ってヤツさ…)
私「…今月はもう、1000円以下のお酒しか買わないって決めたんだ…!もしくはメルカリで探すんだッ。」
天使(でも、メルカリで買ってもメーカーさんには一銭も入りませんよね。ここで買ってあげたほうが酒屋さんもメーカーさんも喜びますよ。経済もまわるし、あなたも美味しいお酒に出会えるかも。win-win-winじゃない?)
私「買います。」
店員さん「アリガトウゴザイマスッ!」


あのですね、こういう場面てふつう天使さんが止めてくれるじゃないですか。なんでお酒の天使さんは悪魔と一緒になって背中を押して来るんですかね。なんなら天使さんが率先して「あたしはこれがいいっ!」てお酒を選んでますからね、どうなってんだ。どこから来たんだこの悪魔と天使は…。


と、いうわけで。今日はこの悪魔のルーツを探るべく、その名を冠するお酒をご紹介します。スコッチウイスキーボウモアの、免税店限定リリース品。ボウモア10年 インスパイア―ド デビルズカスクです。

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ボウモア蒸留所についてのご紹介を少しだけ。
スコットランドの西側、アイラ島(ジュラ島の隣)にある蒸留所。ボウモアは町の名称かつ蒸留所の名称でもあります。「巨大な岩礁」を意味するその名前に相応しく、海辺に建つその姿は(特に暗がりでのシルエットの威容から)海上要塞のようにも見えます。


1779年に地元商人のデビッド・シンプソン氏が創業したそうで、風の吹きすさぶ日は蒸留所に波しぶきがもろにかかるため、建物の中には潮の香りが漂い、おそらくこの波しぶきや島原産のピートに含まれる成分により、ボウモアの酒には潮や海藻、磯の香りが含まれます。こちらで生産されるウイスキーは、ハミングバード99の大好物です。

 

さて、アイラモルトの女王たるボウモアの蒸留所があるアイラ島の街には、あるおもしろい伝説があります。


―――昔あるとき、教会でミサが開かれている最中、人々は教会に悪魔が潜んでいることに気づきいた。住民たちは悪魔を捕まえようとしたが、「なんやねんな!捕まってたまるかい!」と悪魔は海辺へと走り、ボウモア蒸留所のウイスキー貯蔵庫へと身を隠す。


「あかん、こりゃやばいで…。人間本気出し過ぎや…どないしたらええんや…。」と考え巡らす中、ちょうど出荷のためウイスキーの船積みが始まっているのに気が付いた。「これや!」と閃いた悪魔は、ウイスキーとともに樽に潜り込み、島からなんとか脱出することに成功した―――。


この伝説に基づいてリリースされたのが、ボウモア ザ デビルズ カスクボウモア10年 インスパイア―ド デビルズカスクは、ザ デビルズカスクのコンセプトをベースにした免税店限定品になります。


2016年に半年ほど販売されていたようで、オロロソシェリカスクとワインカスク(これが2匹の悪魔のようです)で熟成された原酒をブレンドしているという触れ込みです。パッケージは箱・ラベルとも濃淡の模様がついた深紅のデザインで、不気味ながらも高貴かつ妖艶な雰囲気を放っています。こんなの見つめてたら絶対魅入られるよ…(買っちゃう)。では、いよいよ飲んで行きます。


ストレート /
香り:力強いピート&スモーキー、ウッディな香り。潮の香りや澄んだ甘い香りと、ワインカスクの影響かバルサミコのような食欲をそそる香りが少し。六角やクローブのようにスパイシーさや、タバコの葉、ミルクチョコレートやキャラメルも感じます。店員さんが言っていたサクランボの香りはわからなかった…。甘酸っぱい香りはたしかにしますが。


味わい:スイート&ソルティな口当たり、とても高い満足感をもたらすピートとオークのウッディネス。余韻もかなりピートが感じられ、シェリー由来と思われる焼きリンゴやダークチョコレートのような甘い香味、ワインカスク由来のブドウのドライな香り高さも併せ持っています。美味い。悪魔が潜んだ樽、という触れ込みは飾りではないようです。


ロック /
香り:ハチミツや干し葡萄、紅茶の甘く心地よい香りが開く。次いで黒糖のようなシェリーの甘い香りと、ピートのスモーク、そしてビターさを感じます。


味わい:ストレートに通じるピート&スモーク、ウッディネスと潮気を感じますが、あちらが力強かったのに対しロックではやわらかく繊細に、とても飲みやすくなっています。これもとても美味しい。カカオ分の高いダークチョコレートやココアの香味。


あっ


ゲップしたらたしかにサクランボの風味がッ!?(食事中だったら本当に申し訳ない、こういうブログなんで)。余韻は上述の香味が複合したところに、マイルドなビター、わずかな渋みが加わって満足感を静かに締めくくります。

 

ハミングバード99の個人的評価
お酒名:ボウモア10年 インスパイア―ド デビルズカスク
分類:シングルモルトウイスキー
価格:8000~9000円程(1000ml(!))
アルコール度数:46%
香り:☆☆☆☆☆(アイラモルトの特徴であるピートの香り、2匹の悪魔(オロロソシェリーとワインの2つの樽)の個性を存分に楽しめます。)
味:☆☆☆☆☆(強いピート、潮気、木香、甘味、フルーティーさが複雑に良いバランスで混じり合い、満足感の高い余韻をもたらします。)
おすすめ度:☆☆☆☆☆☆(スモーキーな風味が嫌いでなければ、ぜひ1度お試しください。ボトルは1Lサイズで、長く楽しめます。)

 


一説には、ボウモアウイスキー樽に入ってアイラ島から逃げ出した悪魔は複数いて、樽と共に世界中に散らばったとも言われています。そして、アイラモルトの女王と呼ばれるボウモアの樽に隠れていたのですから、とっても美人なのかも。もしかしたら我々酒好きをそそのかし誑かす悪魔は、アイラ島からやってきたのかもしれません。そう、私の心や、あなたの心にいる奴も。


次は、天使のお酒でも探しますかね?


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初号 スーパーニッカ 復刻版(終売品)

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梅雨に入ってからは、雨の日が多くなりましたね。こんな日は幼き頃、トタン屋根に当たる雨粒の音の中で過ごした日々を思い起こします。生活は決して豊かではなかったしいろいろと悔いが残ることもあったけれど、すべてがだめなわけではなかったと、今この歳になって思うようになりました。

 

さて、以前当ブログの記事にてニッカウヰスキーの伝統ある銘柄、「スーパーニッカ」についてご紹介しましたが、今回は連続テレビ小説マッサン放映当時に発売された、初号スーパーニッカの復刻版をご紹介していきます。こちらは1962年発売の初号スーパーニッカの味わいを再現した限定版として、2015年に発売されました。


1962年にスーパーニッカが登場した時の価格は3000円、当時の大卒の初任給は17000円と言われています。現在に換算すると、大卒の初任給をとりあえず200000円くらいと仮定して…35000円ちょっとですね。当時は特別なガラスボトル自体が高かったとはいえ、けっこう高価ですね(汗)製品の誕生秘話を考えても、そして価格からも、相当に良い原酒をブレンドしていたことが想像できます。これを再現した復刻版には否が応にも期待が膨らみます。さっそく飲んでいきましょう。

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ストレート/
香り:煙がかったような、熟成感のある甘くフルーティな干し葡萄やリンゴ、柿の香り。梅、プラムのような果実香と、チョコレートのような甘い香りも混じります。少しアルコール感が強いですが経日で大分穏やかになり、通常版に比べ熟成感、重厚さが増したように感じられます。


味:とてもやわらかでトロリとした甘い口当たりですが、すぐにアルコールのピリリとした刺激も感じ取れます(刺激は経日で穏やかになりました)。ウッディな酸味を感じた後にはほんのりとした塩気と、穏やかなピート、ドライな余韻が長く静かに残ります。全体を通しては粗い無骨さを感じさせますが、同時にカフェグレーンのもつ優しげな香ばしさと、繊細な甘味を楽しむこともできます。美味しいです。


ロック/
香り:焦がしカラメル、黒糖のようなコクのある甘い香りが前面に出ました。スーパーニッカ登場初期には存在しなかった、宮城峡の原酒もブレンドされているのかもしれません。それから少し酸っぱさを感じる香り。それに…古い民家のような香り…?


味:スパイシーさ、苦み、ドライ感と、ビターチョコレートのような甘苦い香味があります。元々アルコール感が高いためロックの他にハイボールなどでも十分楽しめそうではありますが、やはりストレートで飲むのが向いているように思います。


hummingbird99の個人的評価
お酒名:初号 スーパーニッカ 復刻版
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:3800円程(700ml、当時)
アルコール度数:43%
香り:☆☆☆☆(ウイスキー飲む楽しさを感じさせる、フルーティーながら重みのある香り。)
味:☆☆☆☆☆(昔ながらのニッカらしさとでも言いましょうか、荒さの中に優しさを併せ持つ味わいです。甘く、ピーティー。)
おすすめ度:☆☆☆(終売品ですがそこまで価格が高騰しているわけではないため、特にニッカウヰスキーファンの方にはおすすめできます。)


昔から、急いて急いてものごとに取り組むことが多い性格でした。しかしようやく最近思うのです。ゆっくりと積み上げること、待つことも悪くはないのだと。そう、果実がウイスキーに漬かり、美味しさ感じる瞬間の幸せを心待ちにするように。先月末に漬けたお酒もオレンジの風味豊かなとても美味しい果実酒となりました!トニック割りが最高。すでに飲み切っちゃったんですけどね(笑) またそのうち、作製レポートでもしたいなあと思います。 

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ちなみに待つことも覚えたのですが急ぎがちな性格も健在で、オレンジ酒は漬かるまでに半分以下に減りました。次こそはきちんと待ちたいと思います(笑)

 

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トミントール10年

いやー、忍者ってかっこいいですよね。「だってばよ!」が口癖の「いや忍べよ」と言いたくなるああいう忍者じゃなくて、闇に徹する本物の忍の事です。


影に隠れ、決して表に出ることなく、名誉や名声を得ることない。裏方に徹して時代を支え、あるいは動かす。その生き様は日本人だけでなく世界中の人々にも知られ、大人から子供まである種の憧れを持たれています。縁の下の力持ち、とも言えるかもしれません。


ウイスキー界にも、影で活躍する忍者のような銘柄があります。そのひとつがスペイサイドウイスキーの一角、トミントール。シングルモルトとして発売されてはいるのですが、ブレンデッドウイスキーの原酒に用いられることも多く、他のブレンデッド銘柄を影から支える存在のまさに忍者なのです。今回はそんなスコッチウイスキー界の縁の下の力持ち、トミントールの10年熟成ウイスキーをご紹介していきたいと思います。


ちなみに「スペイサイド」はスコットランド地方、ハイランドの中にあって、スペイリバー=スペイ川の流域に広がる地域になります。アンノック、グレンフィディンク、マッカランなどの名だたるスコッチウイスキーも、スペイサイド地方で生産されていますよ。

 

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(上の写真は50mlのミニボトルになります!インテリアにもかわいいですよね)

 

ストレート
香り:しっかりとした樽の木香、ピートのスモーキーさで、甘い香りは控え目。時間経過とともに花の蜜やシナモンのような甘さ、丁子やハーブの清涼感も感じられます。


味わい:口に含むと香り同様、甘味は控えめ。樽の木感と心地よい渋味、ビターさがあり、飲み下すとはっきりしたピートの燻香が鼻に抜けていきます。
思わず焚火だとか、暖炉を連想する風味。非常にシンプルですっきりとした味にまとまっていて、この飾り気のなさは落ち着いてしっかりと飲みたい日に向きそうです。
また、甘さはないのですが受け付けにくいクセもなく、初心者の方でも飲みやすいと思います。


hummingbird99の個人的評価
お酒名:トミントール10年
分類:シングルモルトウイスキー
価格:4000円程(700ml)
アルコール度数:40%
香り:☆☆☆☆(木の香り、ピート感がよくわかる澄んだ香り。)
味:☆☆☆☆(甘さは控えめで、ウッディネスとスモーキーさが心地よい飾りのない素朴な味わい。)
おすすめ度:☆☆☆☆(派手さのないシンプルな美味しさは、通にもビギナーにも幅広くおすすめできます。)

 

漫画もしくはアニメでナルトを見た後、何かある度に「写輪眼!」とかやっていたのは、私だけではないはず。かっこいいですよね、「万華鏡写輪眼!!」。

 


そう、ここだけの話 今でもたまにやってます。


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ウエストコーク12年 ポートカスクフィニッシュ

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エストコーク蒸留所はアイルランドの都市コークに位置する、2003年から稼働を始めた蒸留所になります。比較的新しいですが、かつてのスプリングバンク蒸留所マスターディスティラーをアドバイザーに迎えていること、すでに同社製品が多くのコンペティションで受賞を重ねていることからもその質の高さが伺えます。こちらの商品はオーク樽で12年間熟成させたのち、ポートワイン樽でさらに後熟させたもの。では早速、この(当ブログ初の)アイリッシュウイスキーをご紹介していきます!

 

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ストレート/
香り:オーク樽由来であることがよくわかる、森の木々を思わせる鮮烈で清廉な香りに、スモーク、ココアパウダーの香り、ポートワインの甘酸っぱい香りが加わります。これはカシスのようにも思えます。重厚さや深い熟成というよりは、軽く、爽やかでほどよい熟成感です。


味わい:ほろ甘く、キメの細かいやわらかな口当たり。コルクを連想させるような木の香りと僅かな渋み、ビターさとスパイシーさ。ゴムや硫黄に似た香味を感じるものの、これは軽いボディにクセを与えるアクセントになっているようにも感じます。余韻はクッキーから香るバターにも似た香ばしさと、スモーク、少しの塩気。

 

なかなか見る機会がない銘柄ではあるのですが、その特異で美しいラベル、12年熟成のポートカスク・ラムカスクシェリカスクが同時に展開されていることなどからも目を引く商品です。ちなみに公式HPによるとこの3品は限定らしいのですが、情報が少なく実際は不明です。そもそも蒸留所の紹介とか、HP自体が質素過ぎます…(笑)


鮮烈さや飲みやすさを備えつつも、硫黄やゴムの香味を持つため人を選ぶボトルだという印象。初めての方は、人気の高いラムカスクや、オーク樽熟成のシングルモルト10年、もしくはバーで試してみるのがいいかもしれません。


hummingbird99の個人的評価
お酒名:ウエストコーク12年 ポートカスクフィニッシュ
分類:シングルモルトウイスキー
価格:4300円程(700ml)
アルコール度数:43%
香り:☆☆☆☆☆(オーク由来である木々の鮮烈な香りと、ポートワインの甘酸っぱさ。)
味:☆☆☆☆(ライトではあるものの十分なウッディ感、個性的な癖ゆえの満足感がもたらされ、いつもと違った味わいを求めるときに向いています。)
おすすめ度:☆☆☆(硫黄感ゆえに人を選ぶものの、様々なお酒に慣れた方なら楽しめる味わいだと思います。ビギナーには向かないかな…。)

 

天気予報ではしばらく雨の予報が続くようですね。いよいよ梅雨入りでしょうか。雨の日には家でゆっくり読書や映画鑑賞でもして、夜はグラスを傾けられるような時間をとりたいですよね。なかなか難しいですが(苦笑)そして梅雨が明けたら、良く晴れた砂浜で瓶を手にビールでも飲みたいなあ。


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思うところあって、前回ご紹介したブラックニッカディープブレンド ナイトクルーズの記事に追記をしました。これから購入を考えている方にはぜひ目を通していただければと思います。

ナイトクルーズ= ブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズ(追記あり)

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「いつか、俺はあの海の向こうへと渡るんだ。」
幕末の維新志士、坂本竜馬は幼い頃から、土佐湾の遥か向こうを眺めて友人にこう言っていたそうです。その幼少期に抱いた憧れが、後年彼を海援隊の結成へと導いていったのでしょう。


内陸育ちの私も、小さな頃から海に対しては憧れを持っていました。時に美しく、時に楽しく、時に恐ろしい姿を見せる脅威と驚異に満ちた環境が、いつの時代も好奇心を持つ者の心を刺激するのかもしれません。そしてその好奇心を持つ者は、様々な物事へと興味を示すのです。もちろん、新しく発売されるお酒にも。


今回ご紹介するのは、近日ニッカウヰスキーより発売されたブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズ になります。リリースについての細かな情報はメーカーのHPをご覧ください。個人的な感想ではありますが、なかなかに当たりのボトルかな、と思っています。

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蒼い月を背景に、海上に佇む帆船のシルエットが印象的なパッケージ。落ち着いていて素敵ですよね。ただ、なんだろう。ブラックニッカ伯爵の見慣れたイラストが安っぽさも醸し出しているような…。いや、嫌いではないんですよ決して(汗)。 うーん、せめてクロスオーバーとかアロマティックの時のようなフロスト瓶だったら、特別感があるんですけどね。ラベル変更だけだとパッとしないですよね。


ストレート/
香り:甘さを伴う、しっかりとしたスモーク、ピートの香りと、海藻の香りも少し。以前に発売された同シリーズのエクストラスイートやリッチブレンドのエクストラシェリーに比べると、大分アルコールのツンとした刺激は抑えられているように思います。

味わい:ピリピリとした刺激はあるものの、口当たりはなかなか柔らかで、甘みがはっきりと感じられて飲みやすいです。酸味、というか塩気もあり、ボウモアやダルヴィーのようなソルティさを想起させます。そして、ごくりと飲み込んだ後に鼻を抜けていくのはスモーク、ピート感。燻したような香味を十分に堪能することができます。喉にアルコールのドライな刺激、けっこうなヒリヒリ感はあるものの、十分に美味しいです。


ロック/
香り:チョコレートやラムレーズンアイスクリームのような甘く華やかな香りの中に、珈琲のようなビターさが混じります。氷がかなり解けると干し芋のような甘い香りも感じられました。

味わい:甘く、ほろ苦いです。うまい。飲みやすいですがスモーキーな余韻も変わらず感じることができ、味は間延びせずしっかりした味わいと飲みごたえがあります。


前2つの限定版があまり好きになれなかったので期待していなかったのですが、個人的な好みもあってかこのナイトクルーズは良い買い物だと思えました。スモーキーさとピート感を強調しつつも飲みやすい仕上がりとなっていて、価格的に近いジョニーウォーカーの12年などと比べても十分購入の選択肢に入ってくる製品だと思います。開栓から2日程度ですが(喉への刺激以外は)アルコール感も落ち着いていて、10年熟成の余市と若い原酒に加え、わりと熟成した輸入原酒でもブレンドしたのかなと一瞬考えたくらいです。


ピート感というものを体験したい!というビギナーの方や、アイラモルトのスモーク、ソルティな味わいが大好きな方に特におすすめできます。


hummingbird99の個人的評価
お酒名:ブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズ
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:2000円程(700ml)
アルコール度数:45%
香り:☆☆☆☆☆(スモーキーさ感じる、甘い香り。NAながら嫌な刺激はそこまでありません。)
味:☆☆☆☆☆(ソルティさやピート感を楽しめる、甘く飲みやすい味わいです。ただし飲みこんだ際に喉が焼け付くよう。)
おすすめ度:☆☆☆☆(ビギナーの方がピートに親しむための1本として。また、スモーク大好きさんの普段飲みにもおすすめです。)

 


ちなみに私事なのですが、このhummingbird99、幼少期はよく海の中でおしっこをしておりました。同時刻に海水浴場に来ていた方、並びに食事中に当ブログをご覧の方々に心よりお詫び申し上げます。

 

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2019/6/6 追記

好評を得てか値上げを始めた酒販店や通販サイトが現れてきていますが、定価以上での購入は正直おすすめしません。このクオリティが普及価格帯で手に入ることはとても嬉しいことですが、3000円、4000円と値段が上がってくると、似た味わいでさらに高品質のウイスキーはいくつもあると思います。ボウモアやブナハープンといった名だたる銘酒の、しかも12年物が購入できる価格帯です。

 

「限定」という言葉の響きは非常に魅惑的で、所有欲が刺激されるところではあるものの、それによって美味しいウイスキーを選ぶための視野が狭まってしまうようにも感じます。加熱するジャパニーズウイスキー市場ですが、美味しく楽しく嗜むためにも冷静になってお酒選びをすることをおすすめします。

ウイスキーレシピ その壱

この時期は毎年恒例なのですが、最近はスーパーマーケットに行くと氷砂糖やホワイトリカー、大きな瓶容器など果実酒を漬ける商品が並ぶ特設コーナーができています。梅酒の季節ですね。飲むのはもちろん美味しいのですけど、自分でお酒を漬けるというのもまた楽しいものですよね。


ということで今回は、自宅で簡単にできる果実酒づくりのやりかたをご説明&実行していきたいと思います。


必要なものはこんな感じ。
・漬けるための瓶。小さい物なら100円、大きいと1000円くらいです。プラスチックの場合は、アルコールに対応したものを選んでください。
・梅やレモンなどの果実。今回はオレンジを使います。
・アルコール度数40%以上のお酒。衛生上アルコール度数は高い方がいいのですが、最近では果実酒を漬ける用の日本酒なども販売しています。
・氷砂糖やはちみつ。一応、砂糖でも可能です。


あとは、お好みでハーブなどを入れても美味しいです。私の場合は昨年、レッドバジルを入れたお酒を漬けました。清涼感もあり、見た目も赤みがかっていてかわいいんです(笑)


今回私が用意したのはこちら。
・保存瓶(ル パルフェの750ml)
・オレンジ2個
・砂糖 160g(甘めです)
ウイスキー 400ml程度
ウイスキーはホワイトホース12年をベースに、自宅にあったものを3種類ブレンドしました。

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初めて果実酒を漬ける方には、ホワイトリカーやジンなどがおすすめ。ブランデーやウイスキーも美味しいのですがどうしてもクセがあるので、最初は飲みやすく純粋に果実の美味しさを楽しめるお酒の方が良いかと思います。


では造り方。
1、よく洗った瓶を乾かし、漬けるお酒を少しだけ入れて濯ぎます(アルコール消毒も兼ねてます)。
2、洗って水分を拭き取り、スライスしたオレンジを瓶に入れて、砂糖を投入。
3、ウイスキーを注ぎいれて蓋をする。あとは、冷蔵庫に入れてたまに振るだけ。


簡単ですよね。梅の場合は2か月(小梅なら1か月)以上、レモン、ライムは1か月以上、オレンジならば3日以上程度漬けておくことで果実の風味がよくお酒に溶け込みます。果実は途中で取り出しますが、ウイスキーやブランデーと同じように熟成期間が長いほどまろやかで美味しいお酒ができますよ。


さて、どんなお酒になるのか。こうやって出来上がりを待つ時間もすごく楽しみですよね。暑い夏を元気に過ごせるよう、みなさんも今から爽やかな果実酒づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

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ちなみに、私のように「そろそろ漬かったかな?」と思って味見をしすぎると、出来あがる前にお酒がガンガン減っていきますので注意です。美味しくなるのを大人しく待ちましょう!

 

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ザ ブレンドオブニッカ セレクション(終売品)

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かつてニッカウヰスキーより発売されていた、ザ ブレンドオブニッカ。ブレンドにおけるモルトウイスキーの比率を従来よりも高く設定されこだわりをもって造られていたそのお酒は、今でも根強いファンを持っています。今回は、そのブレンドオブニッカの名を持ち、そしてさらに選りすぐった原酒構成によってより上位に位置した銘柄である、ザ ブレンドオブニッカ セレクションをご紹介します。

 

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特徴的な六角形のボトル。フロムザバレルやブレンドオブニッカといい、ザ ニッカといい、ニッカウヰスキーのボトルは非常に個性的で美しいですよね。

 

ストレート/
香り:甘く濃厚な干し葡萄、質の良いバナナのようなエステリーさ、フレッシュな葡萄、リンゴ、オレンジのような果実香。焼き立てのクッキーやスポンジケーキのように甘い香りも立ち上ります。また、シェリーのような香りと、ウッディネスも感じ取ることができました。


味わい:甘く、とてもやわらかな口当たり。かなり熟成された原酒がブレンドに用いられているのか、繊細かつ濃厚、とろりとした舌触りがあります。余韻には、静かな木香や渋みを思わせつつ、ドライさと芳しさが残りました。わずかですが、ビターさとピリリとした刺激も感じ取ることができます。


ロック/
香り:カルヴァドスを思わせる、リンゴのように鮮烈な果実香。そしてカラメルシロップのように甘い香りがよく感じ取れます。


味わい:やさしい口当たりで、際立ったピートや苦味も無く、相当飲みやすいです。控えめの甘みと、心地よいウッディネスを感じます。十分美味しいのですが、人によってはニッカの骨太な良さを削ってしまったと思う方もいるかもしれません。しかし同じブレンデッドの名門バランタインのように、飲みやすさ、まろやかさを追求したクセの無さもまた個性だと言えるため、このあたりは好みの飲み方でお楽しみいただくのが良いかと思います。


hummingbird99の個人的評価
お酒名:ザ ブレンドオブニッカ セレクション
分類:ブレンデッドウイスキー
価格:5000円程(660ml、当時価格)
アルコール度数:45%
香り:☆☆☆☆☆(長期熟成による複雑芳醇な果実香。)
味:☆☆☆☆☆(選び抜かれた原酒による、飲みやすさと飲みごたえを高いレベルで両立しています。)
おすすめ度:☆☆☆(日本の現行ウイスキーからなくなりつつある、長期熟成による芳醇さ、高い満足感を得ることができます。現在は終売により高騰のため、☆は少な目。ただ、ブレンドオブニッカなどに比べると価格の上昇は緩やかなため、状態の良い物が販売されているのを見かけた場合は、十分購入を検討しても良いと思います。)

 

 

しかし、まだ5月だというのに今日はとてつもない暑さでしたね。日本の四季は春・梅雨・夏・冬の4つだという冗談があるくらいには、夏の厳しさが増してきたように思います。夏は大好きな季節なんですが、生死に関わるような気候になってくるとさすがに危機感を覚えます。


これからイベント盛りだくさんの夏を元気に過ごすためにも、体調管理には日ごろから気を付けないといけませんよね。特にアルコールの摂取は脱水の恐れもあるため、私も暑い時期には水も積極的に飲んでいきたいと思います。みなさまも良いウイスキーライフを。


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